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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1548 校内三分の計編 158

「昼休み中逃げ回る気デス? そんなことするより、私と一緒にいるほうがいいと思いますよ? そっちのほうが楽デス」

「うぐ……」


 外を見てた僕にそういうクリスのやつ。こいつ……僕の頭の中を読んでやがる。まあ確かにここで外に逃げたとして……再び鬼ごっこになるのは目に見えてる。いや、実際再びやられた奴は来ないかもだけど……もしかしたらもっと厄介なことになるかもしれない。

 それに一緒に弁当を食べてる状態なのも……ね。なんか火に油を注ぐ行為をしてるようで気が気じゃないんだが。


「スオウスオウ、こっち向いてください」

「なんだ――んぐ」


 外を見てた僕だけど、呼ばれて仕方なくクリスの方を向いた。するとそれとタイミングを合わせてクリスのやつがお弁当のおかずを僕の口に入れてきた。

 箸でつまんで、入ってきたのは味的にウインナーだと思う。てかその箸ってクリスのだよな……


「うっわー見せつけてくれるなお前ら」


 そんなことをいう秋途。別に見せつけてるわけじゃない。


「ふふ、これ一度やってみたかったんデス」


 そんな言葉とともにこっちに向いたスマホがパシャパシャと音を立てる。いや、お前らシャッター音くらい消せよ。まあおかげで正気に戻ったけどね。僕は椅子の背もたれに思いっきりもたれかかってとりあえずクリスの箸から離れた。まあ完全に間接キスはしてるわけで、その事実は消せない。

 でもいつまでもクリスが使ってる箸を嘗め回してるわけにもいかないだろう。


(いや、嘗め回してはないけどさ!)


 とりあえず口の中に入ってるウインナーを咀嚼する。


「お前いきなりなんてこと――」

「はい、スオウ次は何がいいデス?」


 そういって僕の弁当を物色してるクリスのやつ。まさか全部今さっきの感じで食わせる気か? 面倒!! そんなバカップルみたいなことができるか。


(ここにいるほうがやっぱりやばくないか?)


 僕はそんな風に考える。だって明らかに廊下から刺さる視線が増してる。クリスのやつ……本当に選挙を捨てたのか? もうメンドーて感じなのか? いや、こいつの性格上……というか立場的にそんな半端なやつではない。


 なにせこいつは本当は某国の工作員なわけで、任務はたとえ自分が死んでも遂行……みたいなそんな覚悟とかもってそうなやつだ。多分? 

 こいつがいきなり方針を変えたのはたぶんきっと何かあるとは思う。まあそれに僕を巻き込むなって話なんだけど……わざと支持率を下げて何を狙ってるのか……ただ単に選挙に飽きただけ……なら別に気まぐれなやつってことでもいい。


 でも……こいつのバックボーン知ってる身としては、そんな奴じゃないよなって思う。


「いい、自分で食べられるし」

「駄目デスよ。だってスオウは摂理を会長にしたくないんですか?」

「なに?」


 いや、それを一番妨害してるのお前だから。勝ち目をなくしてるのはクリスである。一縷の望みをこいつは断った。そう断ったはずだけど……僕にはまだ摂理が会長になれる目がある? とちょっと耳を傾ける。

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