1546 校内三分の計編 196
とりあえず生徒会はこの不測の事態……
(の割には雨ノ森先輩は慌ててないな)
僕はちらっと彼女を見てそう思った。当の本人である日鞠も別に慌てた様子はない。まああいつの場合、慌ててる場面ってのが想像できないから、なんとも言えないんだけどね。
でも実際、雨ノ森先輩はめっちゃ日鞠の事気に入ってるはずだから、あの人はこんな状況になったら慌ててもおかしくはない。あの人なら、「私の目が黒いうちは日鞠ちゃんの彼氏は私が見定めます!」とか言いそうだし。
でもそうじゃなく、何やら薄ら笑いを浮かべてるだけ。ある意味怖いけどね。どうにかして、支持層を繋ぎ取めるために生徒会はこれがデマだと証明に動くみたいだ。
まずはこの写真を撮って上げた本人を特定して……とか思ってる間にそれは済んでいた。どうやら壁際にあるサイバー感が強い一角は日の出ジャーナルと直通してあるみたいだ。八つ位あるモニターの一つに映った気だるそうな男性が何やら捜査して、特定のアドレスを見つけてそれで生徒が分かったみたい。あの男性は確か日鞠が連れてきた住所不定の怪しい……くはない常勤の人だ。なにせ流石にすべてを学生だけでって訳にもいかないからな。
でもそれよりも、うん……やっぱりネットでも完全な匿名なんてないな……と思った。
けどすぐにその生徒に突撃するわけにはいかなくなった。授業のチャイムが鳴ったからだ。実際授業を免除されてるのは日鞠だけだから、皆授業にでないわけにはいかない。
それに生徒会と言ったら、模範生徒達でなければならない。だから皆、授業をサボる……なんてことは出来ないのだ。
「会長、待っててください、すぐにこの疑いを晴らして見せます!」
そう言って気合十分の女生徒が去っていく。雨ノ森先輩は何か日鞠に耳打ちしていった。僕も教室に戻らないとな。
「スオウはそのまま思うとおりに行動してていいよ」
「なんだそれ?」
「それで予定通りだからね」
何やら意味深な事を言って、僕を生徒会室から追い出した日鞠の奴。なんかもやもやするが、早く教室に戻らないといけないから、僕はそれ以上を追求することは出来なかった。
それから昼休みまでは圧倒言う間だった。なんか意外なことに、生徒会は苦戦してるようで、確実に疑惑を晴らす証言とか映像とかは得られてないみたいだ。
(すでに写真を撮った奴には接触したはずだよな?)
僕は秋途の奴と一緒に教室で弁当広げてる。今や摂理の奴はお昼は選挙を手伝ってくれてる奴らが速攻で誘いに来るからね。僕が出る場面はない。そうなると、鈴鹿を誘う意味もないというか……あいつはあいつでなんかさっさと弁当持ってどっか行く。
そして午後の授業が始まる前にしれっと机についてるんだよね。まさか便所飯……とかしてるわけじゃないよね? 可能性ないわけじゃないけど……今度は誘ってみようかな?
「一緒にいいデスか?」
「いやだ」
「まあまあそう言わずに」
いやだと言ったのにぐいぐいと来て椅子を借り受けて狭い二つ合わせの机に三つ目の弁当を広げる奴……そうクリスの奴だ。