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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1529/2701

1539 校内三分の計編 189

 ガチャ――


 そんな音を出して僕は扉を開いた。生徒会室は見回すといろんなものがある。アクアリウムに掛け軸。校長室に本来なら飾ってあるような学校の歴史を物語るトロフィーの数々。さらに仕切りをはさんで、ソファーとテーブルがあり観葉植物があり、生徒会メンバーの作業用に、向かい合わせになった事務机があってそこにはパソコンが一人一台はある。さらに奥の壁には六枚のモニターにその下によくわからない機材。そして一番日の光を取り込める窓のそばに鎮座してる生徒会長の机と椅子。そこには生徒会長と書かれた札? というか三角の台座がある。


 もちろんエアコンも完備されてる。日鞠はあんまり権限で金を使うような奴ではないが、これも必要経費なんだろう。ここだけ学校の一角感がないからな。

 ちなみに給湯室も実はある。お客様に最高の一杯を出すためだとか。まあ本当は雨ノ森先輩が自分が欲しかったから……らしいけど。


 そんな雨ノ森先輩は僕の後に入ってきた。僕を見て生徒会メンバーが一瞬顔をしかめるのに対して、雨ノ森先輩の姿をみるや、みなさんバッと頭を下げて『お疲れ様です』と言ってる。ええーどういう立場? やっぱり裏の支配者的な? 副会長形無しじゃん。これからは副会長じゃなく形無し君と呼んでやろうかな。


 まあそんなアホなことはどうでもいい。実際他の生徒会メンバーなんて今の僕にとってはどうでもいいのだ。問題は日鞠だ。日鞠はやっぱり生徒会メンバーに囲まれてた。そんな中から僕を見るなり、り「スオウ」って言って近くに来る。


「珍しいね、ここに来るなんて」


 まあ大体生徒会という役割からは逃げてるからね。一応僕も生徒会の末席に所属はしてる。それは日鞠が指名したからだ。生徒会メンバーって会長の指名制なんだよね。あとはお手伝い? 的なものをしてると、なんか正式メンバーになれたりもする。だからそれをねらっていっぱい手伝いしてくれる奴らいるからね。

 だから僕はいらないかなって思ってあんまり来てない。だいたい生徒会メンバーは毎日集まってるからね。


 日鞠は厚いレンズの奥から僕の瞳をまっすぐにみてくる。うう……なんか探れてるような。いや思い込みだと思うけど。


「会長……すんすん、何か違う香りがしますよ」


 後ろから出てきた雨ノ森先輩が鼻を動かしてそんなことをいった。扉の前で、僕がそれとなく、雨ノ森先輩はあのイケメンを知ってるか聞いてみたから多分、そのことを引き出そうとしてくれてるんだろう。

 一応キス……してたとかは伝えてはない。だって、そういう角度で見えただけ……って線は捨てきれないし。それを信じたい自分がいる。それにこうやって日鞠を目の前にしたら、やっぱりそんなことはなかった気もする。なにせ日鞠ははまっすぐに僕の目を見てた。

 それは昨日までと同じ目だと思う。さっき他の男とキスしてたら、できないでしょ? それが出来るのが女というなら、僕のこの目でも見抜けないよ。


 とりあえずここは雨ノ森先輩の協力のもと、さっきのイケメンとの関係性を探るのだ。

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