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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1536 校内三分の計編 186

「おっと――とっと!」


 僕は滑り落ちたスマホを寸前でキャッチしなおす。いつもなら、滑り落ちても余裕でとれるんだけど……今は握り損ねるって奴を二回はやった。


 それだけ自分が動揺してるってことかもしれない。取りあえず――


「いつまでやってんだ?」


 カシャ――っとスマホで撮る。結構遠いけどね。でも、それでも二人が重なりあってるのはわかる。まあ肉眼で見た方かはっきりみえるんだけど……


 

「いやいや、目に入ったゴミを取ってるだけだから――」


 うん、大体そういうオチって知ってる。僕もそれなりにアニメとか見てきたもん。ラブコメでよくあるよくある。少女漫画とかにもよくあるよくある。


(だから落ち着け自分)


 今まで日鞠が僕以外の誰かとああいうことをするって実際想像だにしてなかったからだろうか? なんかめっちゃ信じられない。今にもドッキリでした~と秋途の奴とかがここに入ってきたりするんじゃないかって思いながらも、僕は食い入るように、校門にいる二人を食い入るように見てる。


 たっぷり十秒くらいはそうしてただろうか。二人の距離が離れる。日鞠はお礼を言ってるのか、ぺこりと頭を下げて、相手の男は背を向けた日鞠を名残惜しそうに見てる。


 日鞠は別段、おかしくない。普通だ。実は何回もやってる……とか? 僕の事好き好きいいながら実は別の男と……とか? 


(いやいや、日鞠はそんな奴じゃない)


 そんな奴じゃないけど……実はあのイケメンに押し倒されたり……してるかも? さすがにそんなことした奴と一緒に来るってことはないか。日鞠ならそれこそ何重にも防衛策とか考えてるだろうしな。乱暴されたとしても、その証拠を突き付けて牢屋まで連れていくのが日鞠だ。


 そんな日鞠が普通にしてるってことは、別段そんなことはなくて……なくて……じゃあさっきのは何!?


(日鞠に聞くしか……いやいや、でもなんて……)

「おい、こんなところにいたか。ようやく見つけたぞ。俺たちの怒り、受けてもらうぜ」


 なんか聞こえる気がするが、僕はそんなの気にしてなかった。てか校舎に消えた日鞠のことをずっと考えてる。


「おい、無視してるんじゃねえ!!」


 何やら手が伸びてくる。僕は「邪魔だな」とか考えつつ、その手を避けて手首をつかんでその勢いを利用して引き、体幹が崩れたところで頭を窓ガラスへと打ち付けてやった。割れるか割れないかのギリギリだったけど、大丈夫だったみたいだ。

 まあそこまで考えてはなかったけど……だってそれどころじゃないし。


「この野郎! 俺たちからクリスちゃんを奪っただけじゃなく、手まで上げるのかよ! 大人しく俺たちのこの思いを受け止めてぼこぼこにされやがれ!!」

「おおそうだ!! 俺達には一発ずつお前を殴る権利があーる!!」


 なんかドタバタとうるさいな。とりあえず僕にはこの教室から外に出るドアしか見えてなかった。なのでそれを邪魔する何か……は取り合えず排除することにした。


 五分後、僕はガラッと扉を開けて廊下に出た。その時、なんか壁際にしりもち突いた男子生徒がいたけど、なんか僕を見ておびえてた。

 意味がわからない。まあ興味もないからどうでもいい。今は日鞠だ。日鞠日鞠日鞠日鞠……

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