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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1535 校内三分の計編 185

 三時限目が終わるころにどうやら日鞠が登校したみたいだ。真っ白で長い車が校門前に止まったのが見えた。まだあんまり気づいてる奴らはいないけど……あればれたらかなり話題になりそう。

 まあけど、大体の生徒はまだ摂理に夢中だ。朝の校門での騒動の後、さすがに影響力が強すぎるってことで、摂理はメイク落としたんだよね。

 それとなく教師に言われてたみたいだけど、あくまでメイクを落とす判断をしたのは摂理自身みたい。まあ今日中ずっとああいう状態では勘弁……と思ったんだろう。僕的には今日は摂理にずっとあの状態でいてもらってよかったんだけどね。なにせ毎回毎回、僕は休み時間のたびに隠れてるからね。


 今もそうだ。速攻で教室を飛び出して学校の人目のない場所へと来てる。今は多目的教室という名目のなかなか使われない教室で厄介な奴らを撒いてるのだ。


「本当によくやる……」


 まあ訓練にはいいけどね。でも僕は別にラオウさんみたいな超人になりたいわけではない。たがらある程度、自分の身を守れるくらいの強さでいいんだけど……なんか今日で人の視線の隙をつく技術が身に付きそうだ。

 前にラオウさんにも言われてたけど――


「スオウ君のその目はとても強力な武器です。なにせ目は口よりもものを言うという諺が日本にはあります。それは当たってますよ。人は無意識で狙いに視線が向くものです。達人でもない限り普段からフェイントなんて入れないでしょう。そして人は意識してないところは脆いもの。

 スオウ君のその目なら、常にその死角を把握することだってできる筈です」


 ――とかなんとか。その時はそんなことできるわけないじゃん。自分基準で物を言わないでほしい……とか思ってたけど、今日はそう思ってた自分が間違ってたと気づいた。


 なにせ出来てるし。はっきり言って、ここまで逃げれてるのは、僕が追いかけてきてる奴らの死角を突いてるからだ。向こうにはふと消えたかの様に見えてるらしい。

 まあタイミングとか結構難しいけどね。でもだいぶ慣れてきた。僕はとりあえずポチポチとスマホでクリスの奴にクレームを入れる。


『おい、お前のせいで大変なんだから、止めろよ』

『ごめんデス。でも今、私忙しいんデス。無理ー頑張ってください』


 あの野郎……どうせクラスメイトとか友達とだべってるだけだろ。普通はいきなり協力者たちを切り捨てたクリスはクラスからもつまはじきにされるものの筈だ。

 なにせクリスのクラスはそれこそ一致団結してクリスを生徒会長に! とかやってた。なのにいきなりはしご外されたんだよ? なのにあいつ、普通にしてる。一体どうやったかのは知らないが……あいつのコミュニケーション能力を甘く見てた。


 おかげですべてのヘイトは僕へと来てる。迷惑にもほどがある。そんなことを思いながらどういう文句を返信しようかと外をみる。まだ白いリムジンはある。制服の日鞠となんかスーツ姿のかっちょいい男性が何やら話してる。なんか見たことあるやつのような?


 前に夜中に日鞠の家まで車で送ってたやつじゃね? あんな顔だった気がする。そんなことを思ってると、不意にそいつが日鞠と重なる。


 思わずスマホが手から滑り落ちた。

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