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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1533 校内三分の計編 183

(ふう、ある意味助かった)


 皆が摂理の美少女っぷりに目を奪われてくれたからよかった。なんか一気に情報が拡散したのか、校舎の中にいた生徒たちまで、外に来ようとしてたし、窓からのぞいてたやつもいた。そんなごちゃごちゃなってくれたから、僕はその人波を使って校舎内に入れた。どうやら校舎内にもクリス派の奴らがいたみたいだけど、玄関にはたくさんの生徒がいたし、その中では僕を見つけることは出来なかったみたいだ。


 まあ僕はこういう人波でもサクサクと進めるからね。僕の目とラオウさんに教わったことを使えばできる。あの人、めっちゃでかいのに人込みでもサクサク進むからね。

 ラオウさんの場合は周囲の人が避けるってこともあるけど、東京の駅とかになると、避けるスペースだって限られてたりするじゃん。でもそれでもするするあの人いくからね。めっちゃでかい猫かな? とか……まあ全く可愛げないんだけど。なにせ筋肉質のシスターだからね。


「おうスオウ。なんか摂理のせいですごいことになってるみたいだな」

「秋途……まあそうだね」


 教室に来ると、案外この教室内は普通だった。それもそうか、クラスメイト達はどうせ摂理がここに来るってわかってるからね。わざわざ会いに行く必要なんてない。他のクラスや学年違いの奴らは今見とかないと見れないかもしれないから押し寄せてるんだろうからな。


 それに教室内に残ってる奴らはなんか「しょうがないから今は譲ってやるよ」――感をだしてるしな。クラスメイトという一段階高い位置から他の生徒を見下してるな。女子はまだ摂理に声かけたりしてるけど、男子は声もかけられない奴だっているくせに……まあ同じ空気を吸えるってだけで満足なんだろう。


「ある意味よかったな」

「何がだ?」

「いや、さっきまで『クリスlove!』って書かれたタスキ掛けた奴が教室前に張ってたからな」

「うげ……やっぱりあれって僕目的か……」

「間違いなくな。まあこんな画像が出回ってるんじゃ仕方ない」


 そう言って秋途の奴はスマホを見ながら笑ってやがる。何を見てるかなんて、見なくてもわかる。どうせクリスが僕にキスしてる場面だろう。

 肖像権の侵害だと思うんですけど……


「でもクリスも大胆なことをしたよな?」

「そうだな……迷惑すぎる。てかこれじゃあ、選挙なんてもう絶望的だろ」


 そもそもがクリスが勝つ気がないのは知ってた。あいつは工作員だ。裏組織……そんな組織の奴があまり表で公に動くなんてできないだろうし、その票は最終的には摂理へと渡してそれでなとか日鞠と接戦する……って感じだと思ってたんだけどな?

 てかそうしないと、どうあっても日鞠に追いつくことは難しい。でも、この投票直前でクリスは自身が築いてきた支持層を崩壊させた。それは当然どちらかに流れるわけだけど……どうあっても摂理が総取りなんてできないだろう。

 ってことは既に日鞠の当選が確実になったといえる。


(何考えてるんだあいつ?)


 僕はクリスのやったことが理解できない。そしてそれに利用されたこともね。

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