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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1532 校内三分の計編 182

「全くこんなことは金輪際やめてよね」

「ごめん……だけど、それじゃあ私、これからメイクできなくなっちゃうよ!」

「別にいらないでしょ? 摂理の場合……その、綺麗なんだし」

「ううん!? 鈴鹿ちゃん、今なんて?」

「だから……その……」

「うんうん」

「だから……綺麗だって……とりあえず変なことが起きないようにあんたはメイク禁止なの!!」

「ええーちゃんと言ってよー。鈴鹿ちゃんの言葉で聞きたいな」

「いや……遊ばれてるし、言ってやんない」


 学校につく前にセツリと鈴鹿のそんなやり取りがあった。大体僕と鈴鹿が摂理のお世話係みたいなものだからな。最近は選挙を手伝ってくれる奴らがおせっかいにも押しかけてきてたから、別に無理に鈴鹿も来ることはないんだが……案外律儀で毎回来る。でも最近は僕たちが押して校門をくぐることもなくなったな。だって選挙手伝ってる奴らがでしゃばるからね。


 僕と鈴鹿は二人してちょっと離れた位置から歩くことになる。そんなんだから、最近はちょっと鈴鹿と摂理の距離が開いてるきがしてたけど……メイクの副次的効果で会話が弾んでるようで何よりだ。


 鈴鹿はなにせ摂理の選挙を手伝ってる奴らが号泣しながら拝み倒してる所にきたからね。まあ引くのは当然だと思う。僕も何も事情を知らずに遠目にしてたら、絶対に引いてる自信があったしね。それだけあれは異様な光景だった。


 さらに摂理が神格化……というか女神化したな。こいつらには本当に摂理が天から降りてきたかのように見えたんじゃないか? 頭おかしいが、あの反応は本当にそんな場面を見ないとなんないと思う。


 まあとりあえずなんか二人でキャッキャとしてた間も周りにいる奴らは拝んでた。そしていつもは後ろで静かについてく訳なんだけど、なんか摂理の親衛隊長みたいな人に隣へどうぞ――的なジェスチャーでその人が車いすを押して、周りを親衛隊が囲み、その中で摂理と鈴鹿がおしゃべりしてるっていう……これまた異様な光景なまま、校門まで来たわけだ。


 僕? 僕はもちろん他人のふりをするために少し離れた位置からついていった。だって僕が少しでも近づこうものなら、バリケードのように立ちふさがるし、その形相がね……今までは厄介者を見る感じだけだったのに、今日はもう敵? って感じだった。


(これもきっとクリスとの……あれが原因か?)


 まあそれしか考えられないんだけど……だから下手に刺激しない方がいいかなって……僕は大人しくしてた。そして当然、校門まで来ると生徒が多い。そこにメイクを施して美少女度が100を超えてる摂理に皆が注目してる。

 てか今日はいつもより静かだったみたいだけど……いつも騒がしくしてたクリスの選挙活動してる奴らがいないからだね。だから静かだったが、今この瞬間、ざわついた。


 摂理のあまりの美少女っぷりに皆が止まって、まずは女子が群がってきて、その周囲で男子までひしめき合ってる。


「なんという可憐な……」


 そんなことを言ってるなんか釘バット持ってる奴ら……あれ……僕を待ち構えてたやつらじゃないよね? なんか鉢巻きには『クリスラブ』って書かれてて、タスキには『スオウ滅殺』って書かれてるタスキをしてる集団がいるけど……とりあえずこの騒動に紛れて僕は校舎に入ることにした。

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