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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1530 校内三分の計編 180

 カチャカチャと食事をする音が響く。私は時々、食事をしながらスオウの様子を見る。食事はおばあちゃんが作ってくれた日本の朝食だ。私的にはもっと洋食的なほうが好きではある。

 てもそっちも頑張ってくれてるし、おばあちゃんの味噌汁は好きだった。


(魚は苦手なんだけどね……)


 まず食べるのが大変じゃん。骨とかあったら厄介だし……こいつら、死んでもこっちを殺しに来てるんだよ? それに私は結構箸ってやつが苦手だし……

 今は持ち方もだいぶましになってたけどね。この家に来たときはずいぶんと変な持ち方してたらしい。だって今までそんな指摘してくれた人いなかったし……そもそもが私はずっと眠ってたしね。皆温かく見守ってくれてたんだと思う。


 でもおばあちゃんや日鞠ちゃんは一生懸命教えてくれた。私的には面倒だし……別にこれでも使えるからいいじゃないかな? とか思ってたけど、自分がどう思うかよりも、どう見られるかを気にした方がいいって言われたから……だって――


「箸もまともに持てないような奴」


 ――とか思われたらなんか……ね。私の事情を知ってる人なら仕方ないで済ませられるだろうけど……これから私はリアルでも生きてくわけで、社会にだってきっとそのうち出る。そういう時、誰もが私の事情を知ってるわけではない。

 それは当然だ。個人情報だしね。そういう時、私は育ちが悪いみたいに思われるらしい。それはせっかくの容姿をマイナスにするくらいの印象らしい。

 

「どうせなら、良い印象を持たれたほうがいいよ。どんな小さなことでもね」


 と日鞠ちゃんは言っていた。実際日鞠ちゃんに悪い印象って全然ない。精々ライバルってくらいだ。そんな日鞠ちゃんに立ち向かうとなれば、私だって箸くらいまともに持てないと……と思って頑張った。


 それに綺麗に食事する姿ってのは美しいらしい。流石にがちがちに所作で固めるってことは出来ないし、そこまでしたら食事が楽しくなさそうだからやらないけど、せっかく私には人よりも優れた容姿があるんだから、それを崩さない程度には優雅に食事したいよねって思う。


 それにさっきからスオウもちらちらと私をみてる。メイクしたのが効いてるね。きっと私にドキドキしてるはず。


 

 食事も終えて、私たちは玄関にいる。おばあちゃんに「行ってきます」を言って私達は家を出た。そしてしばらくスオウが私の車いすを押して進んだところで口を開く。


「なんか、今日は印象違うな」

「変かな?」

「変じゃない。でも……なんで?」

 

 変とか言われるとさすがに泣いちゃうよ。それなりに私容姿には自信あるんだからね。ここで「スオウの為」とか言えたら、いいんだけど……でもそれってもうほぼ告白じゃん。

 さすがに今は……でもここで一歩先に進むのもいいのかも? とかおもうというか……でもやっぱり私的にはもっとロマンチックなところでって願望も……


「摂理?」

「ああ、ごめん……なんでっていうのは……それは……スオウのせいだよ」


 「為」にはしなかった。スオウのせいにしてやった。なんかちょっと悪女っぽい? でも可愛い嫉妬だとおもってほしい。スオウのせいで私頑張ってる。今だって生徒会長選挙やってるのは元をただせばスオウのせいだ。

 私はいつだってあなたを気にしてるんだよ。

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