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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1525 校内三分の計編 175

「何があったんですか?」


 開口一番オウラさんはそんなことを言ってきた。「何か」ではなく「何が」と聞いてる所、もう何かがあったことは確定してる。これもメカブちゃんの日々の行いのたまものだね。

 メカブちゃんは学習するってことがないからね。何かあったらまずは子供たちよりもメカブちゃんが疑われるのはテンプレートだといえる。


「別に何もないわよ。ほらほらみんな元気元気」


 そう言って子供たちにわーいわーいと無理やり言わせてる。


「ごまかしても意味ないですよ。皆には、メカブの行動をちゃんと報告してくれるように言ってますから」

「ちょっ!? 裏切者だったのあんたたち?」

「だってメカブ姉ちゃんよりもオウラさんの方がこえーもん」


 最後の子供の声に皆うんうんと頷いてる。確かにそれはそうだね。でもLROのオウラさんはリアルよりもだいぶマイルドになってるけどね。一目見ただけで、ちゃんと女性とわかるし。なんでその種族を選んじゃったのかはよくわからないけどね。


 彼女はウンディーネという種族だ。はっきり言って水の中や水が周囲にないとその力を発揮することが難しいから、あんまり人気ない種族だよ。しかも肌も緑や青だったりと、特殊だからね。


 ぱっと見はなかなか近づきたくないと思えるような感じではある。ちゃんと見たら美人ではあるけどね。やっぱりかなり人とは違ってるから……でもこれでもリアルの彼女よりもよっぽと見た目的には女性らしいんだよね。

 私やメカブちゃんよりは線は太いけど、それでも女性らしい体してるからね。リアルの方のオウラさんはもうそこら辺超越してる。


 だからLRO方がまだましなんだけど……それでもやっぱり彼女には貫禄がある。そういうのメカブちゃんは一切ないからね。どっちかというと、彼女ポンコツだし……私がいうのもなんだけど、メカブちゃんは相当だよ。

 

 すぐ調子のって失敗して怒られる――けど、懲りない。もうそういうキャラだよね。でも子供たちとはすぐに打ち解けてた。多分、同じ目線というか……立場だと思われてるからだと思う。


「メカブ姉ちゃんが男と女の違いとか。それにキスしたら、覚醒できるとかいってたから、セツリ姉ちゃんで試そうとしたんだ」

「そういうことに興味が?」


 そんなオウラさんの言葉に男の子たちは気恥ずかしそうにしながらもうなづいた。


「なるほど……そういう気持ちはしょうがないとは思います。男と女が存在する以上そういう感情は起きるものです。ですが、ちゃんとセツリに許可はとったのですか? 無理やりはいけませんよ」

「メカブ姉ちゃんが子供なら許されるって……」

「ちょ!? いやいや、オウラも言ってるじゃん。自分の武器は最大限に使えって。私はそれを実践させただけで……そう、これは訓練なのよ」


 なんとかオウラさんが好きそうなワードを使ってこの場を切り抜けようとするメカブちゃん。でもそんなのが通じるわけがない。


「そうですか。訓練ですか」

「うん……そう」


 いい笑顔でそう返すオウラさん。ちょっとだけホッとしたメカブちゃんだけど、許されたわけじゃない。


「ほら、訓練だそうですよ。やっておしまいなさい」

「ええーメカブ姉ちゃんはちょっと……」

「どういうことよあんた達!? いや、いいけど。来なくていいけどね!!」

「これは訓練ですよ。やらないという選択肢はありません。やっておしまいなさい」

「いやああああああああああ!!」


 孤児院に汚い悲鳴が響いた。

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