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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1511 校内三分の計編 171

「他にこんな感じのクエストの例はないんでしょうか?」

「何回か見たことあるような気はするけどね。でもそれを最後まで詳しく書いてあるのはなかったような気がするな」

「なんででしょう?」

「それはやっぱりプライベートな事だからじゃないかな? そういうクエストが発生したとはテンション高く報告できるけど、このゲームのNPCって本当に生きてるように感じるじゃないか。

 告白するってことは向こうは真剣なわけで、それをただのNPCと割り切れる人なら事細かにどういうクエストだったとか載せれると思うけど、そういう人には今のところそういうクエストは発生しないみたいだからね」

「なるほど……確かに私も自分がどう思ったとか向こうの反応とか思い出すと、わざわざ情報提供しようとは思わないですね」


 やっぱり恋にかかわってくると……ね。ネット上にあんまり情報無いのこなクソッって思ってたけど、そういわれると、仕方ないか……と思う。


 もしもちゃんと恋人同士とかになってたら、その人を晒すようなことをしてることになるしね。それは流石にできないか。LROにもこの世界を解き明かそうと検証してる人達がたくさんいるが、そういう人たちにはあまり、その手のクエストが発生しないってのもLROらしいと思う。

 たまたまなのかもしれないが、でもそうじゃないと思わせるのがLROだよね。だって普通にそのくらいやりそうだし。


「こっちから釘を刺しておこうか?」

「確かにマイオさんならそれができるでしょうけど……」

「気が進まないか。少しは脈があるのかな?」

「それはないですけど、クエストである以上失敗したくないっていうか……マイオさんに頼むとその時点でダメな気がして」

「LROはいろんな要素が絡み合ってる。それに失敗や成功ってのも一概には言えないじゃないか。どこかで好感度を下げてないと、発生しないクエストとかもあるらしいし、逆に好感度がないと発生しないクエストもある。

 まあそれも条件はそれだけじゃないみたいだけど……」

「バタフライ効果がありすぎるんですよね」


 LROでは自分の行動一つ一つ、そしてほかのプレイヤーの行動、さらにはNPCだって自由だし、そういう全てがかみ合った世界の動き――それらによって同じクエストでも受けられるかどうかだったり、難易度とか変わったりするからね。同じクエスト……ってやつが極端にすくない。

 まあ正確には同じクエストであったとしても、クリアするまでの過程がそれぞれのプレイヤーで全く変わるということだ。だから今回、このラブレターに対してどういう行動をとるか……それは実際は、直近ではあんまり意味はないのかもしれない。ただ衛兵のあの人が落ち込むことになるってだけで。


 でも後々、何かに影響することはあるかも? 


「まあ、そこまで考える必要はないと思うよ。僕たちはここがゲームだとしってるから色々と考えてしまうが、ただ目の前のことに真摯に心のままに対処していくのが、きっと正解なんだよ」

「心のままに……ですか……」


 確かに結局未来がわからないのはここもリアルも一緒だ。変に打算的に動くとかえって悪いことがやってくる……なんてのもきくよね。クエストの報酬が欲しいから一応付き合ってみる――なんてことをしても、それが正解かなんてわからない。

 だったら、結局私の気持ちに従うのがきっと正しい。


「わかりました」

「決まったかな?」

「はい、なのでこれ返しといてください」

「ええーそこは直接行くんじゃなんだ?」

「だってこういうの直接顔合わせるの気まずいじゃないですか」


 私はそう言って逃げた。

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