1509 校内三分の計編 169
「なるほど、信じてた友達に裏切られる様なことをされたと。自分の味方をしてくれると言ってたのに、抜け駆けされたから君は不貞腐れてここで暴れたと」
「まあそうですけど……なんかそういわれると、私子供みたいですね」
「ははっ」
なんか笑われた。私は対面で頬を膨らませて無言の抗議をする。するとマイオさんは
紅茶を一端飲んでこういうよ。
「ごめんごめん、でも君はまだまだ子供だろう?」
「高校生はもう、大人ですよ。子供なんて小学生までです」
「けどこちらかしたらそうかわらないよ。それに子供である事は貴重だし、もっと素直に子供でいていいと思うけどね」
「それは大人が言えるセリフですよ」
「なら、そっちも子供だから言える事だよ」
むむー、そんなに私が子供っぽいと? 確かに大人的な色気は足りないとは思ってた。私はどっちかというと可愛い系だしね。
「まあでも不貞腐れるてる事情は分かったよ」
「ですよね。酷いですよね。クリスちゃん私に協力してくれるって言ってたのに! すす、スオウとキスとか!」
思わず手を振るって、テーブルにぶつけた。いたい……ゲームなのに痛いよ。
「やっぱりスオウ君絡みか……まあそれは置いといて、その行動自体が、君のためじゃないって事はまだわからないんじゃないか?」
「どういうことですか?」
私は思わずキッと鋭い視線を向けてしまう。だってクリスちゃんを擁護するような事言ってほしくない。「うんうん」と同意してうなづいてくれるのが一番なんだけどな。まあ一応聞くけど……
「彼女……クリスちゃんだっけ? はどんな子なんだい?」
「えっと、外国人で、金髪の派手な子です。いつもクラスの中心にいて、とても元気があって、行動的ですね」
「なるほど、セツリ君とは真逆の性格ということか」
「……そうですね」
そんなはっきりと私を消極的な人間と言わなくても……だってしょうがないじゃん、私はこの年まで、ほとんど他人と接した事ないんだもん。
「ある意味その子はそこら辺をスオウ君にわからせようとしてるのかも?」
「どういうことですか?」
「男女にも相性は大切だ。そこら辺を試していたとかだよ。そして彼に気づかせるとかさ。自分の様な元気いっぱいな奴よりも、もうちょっと落ち着いてる女の子がいいなって思わせるとか……」
自分で言ってて苦しくなって来たってマイオさんも思ってるでしょ。だいたい、クリスちゃんは確かに元気いっぱいでグイグイと行くやつだけど、ちゃんと駆け引きだてできるんだよ。引き際……そして私なんかよりもよっぽど周囲をみて、色々と気づける奴でもある。
ようは中身的には私なんかよりも全然いい女なのだ。それが……とっても死にたくなる。
それに外国人というプレミアム感。さらに工作員とかいう裏要素まで持ってる。禁断の恋とか燃えるシチュエーションじゃん。いや、やられた方はたまったものじゃないけどね。
「こほん、まあつまりは、友達ならそれだってセツリ君のためなのかもしれない。一方的に決めつけるのはやめるべきだよ。だからちゃんと聞いてみるほうがいいと思うけどね」
「それが出来たら……」
苦労なんてないんですよ。マイオさんは乙女心がわかってない。




