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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1493/2699

1493 校内三分の計編 153

「スオウは目立つから」


 そう言って日鞠はなんか別の方向を指差す。それは校門から入ってきたらすぐに見える校訓? みたいなのが刻まれた石とかある場所だ。ある意味学校で合流するときとかに待ち合わせで使われたりする場所だ。

 一段高く囲われてたりするからちょうど腰を下ろした出来るしね。でも流石にあそこじゃ、声届かない……とか思ってると、普通にスマホに着信きた。

 まあ別にこれでもいいよね。でも僕がここまで来た意味無いじゃん。最初から、電話しとけば言い訳だし……


(でもそれなら、あの女子に伝言みたいなの頼む必要もないよな?)


 まああの女子、伝言なんて僕に伝えなかったけどね。日鞠は基本無駄な子はしないからな……何か意味があるのか? てか、僕はそれなりに有名だから目立ってる気がする。もちろん、嫌な方で有名なんだけど……でも今や僕は日鞠を支持するって言っちゃった訳だし、一緒にいても別にいいような? まあ従うけどね。

 僕は校訓の場所まできて、腰を下ろした。もちろんその石碑に腰を下ろしたわけじゃないよ。そんな罰当たり……というか学校をバカにしてるようなことはしない。囲んであるから、その囲みの石の部分に腰を下ろしてる。


『それで、なんであんな事を話ザワザワしたんだ?』


 僕は早速、そんな事をスマホで送った。だって別にあそこでやる必要はなかったと思うんだ。だって僕の家と日鞠の家は隣同士だ。僕の家に摂理は居候してるんだし、接触をするのは簡単だ。

 面と向かっていいたかったなら、家に来ればいいだけだった。面倒なんてないだろう。なにせ小さいときから行き来してる家だ。そこら辺を日鞠が遠慮する必要なんてないし、するとも思えない。

 でもわざわざ日鞠は学校で摂理に接触して、みんなの前でそれをいった……


『それは自覚してほしかったからだよ』


 すぐに返事はきた。それってきっと摂理にだけってわけじゃないよな? その文面からなんとなくそう思った。あれは摂理を向いて言ってたが、周りの信者達にも言ってたんではないか? ただ尽くすことだけが、愛情なんかじゃないとか……まあ僕にはそこら辺よくわかんないが。


『お前……摂理もどうしたいんだ?』


 なんとなく、そんな事を打ってしまった。ただ潰して自分の生徒会長の地位を安泰にしたいってだけなら、別に干渉する必要なんてないと思う。確かにクリスと摂理が票を合算させたら、日鞠に迫る事ができるかもしれない。二人はそれを狙ってると思うし、少しでも日鞠の票を奪いたいと思ってるだろう。

 でも僕にはどうしても日鞠が負ける……なんて姿は想像できない。堅実に確実に、勝てる道筋とか、こいつなら多分見えてる。事実、今まで大きな動きをしなかったし……やったのは僕の票を獲得しただけ……でも僕の票なんて一票だ。価値に変わりはない。


 でもあれは明確な日鞠の意思だった。


『そろそろだから、後は彼女に任せてあるんだ」

(彼女?)


 そんな返信にハテナを浮かべてると、こんな声をかけられて、いきなり柔らかくて、更にいい匂いが漂ってきた。


「おまたせデス。さあ、デートしましょうスオウ」


 それはなんとクリスの奴だった。

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