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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1492 校内三分の計編 152

 僕は反対側の階段を一歩飛ばし、いや、大丈夫だと思ったら、全て飛ばして駆け下りた。日鞠の奴は人気者だ。日鞠が学校に来てたら、すぐに生徒たちに取り囲まれるくらいには人気者。だからすぐに追いつけるだろう。そもそもが一階に降りて来れるのか……階段で捕まってるって事もありそう。でもそうなると厄介だな。下手に生徒たちの前で話しかけるってのはやりづらい。だって僕の事大抵の奴ら嫌ってるし。

 いや、みんな日鞠が好きだから……そんな日鞠は特別僕に執着してる。それが学校中の嫉妬へと繋がってる。日鞠は勿論、それの解決策も実は提案してるくれてる。でもそれは僕が拒否したんだよね。なにせそれは……まあいいか。とりあえず今は日鞠だ。


(あの時の合図……)


 僕は思い出す。あのとき摂理と話してるとき、一瞬だけだけど、日鞠は僕を見た。僕達はずっと一緒にいる。だからあれだけでもわかる事がある。あれは合図だ。日鞠は僕の事を待ってる。なら……ちゃんとその時間を取ってるはずだ。

 だから今、この学校で誰も居ない所に緋毬はいるんじゃないか? そのくらいの事、出来るはず。


「教えませんよ」

「いや教えろよ」


 すれ違った女子がそんな事をいって去っていく。その背中に僕は声をかけたんだが、彼女が止まる事はなかった。あの野郎……いや野郎じゃないけど……絶対に日鞠から伝令とか頼まれたやつだろ。生徒会で見たことあるし……でもまあ、どこかで日鞠が待ってるのは確定だ。でもどこかっていうと……ね。

 一番ありそうなのは生徒会室なんだが……でもそれならこんな事をやる意味もない。僕が入れないから、トイレとかはないだろうし……本当にさっさとおしえればいいものを……後で日鞠にチクるぞ。


(最近は生徒会選挙で結構な数の生徒が残ってるからな……)


 普段なら、空いてる様な教室も今はそれぞれの陣営が怪しい事に使ったりしてる。学校内は実はなくて、日の出ジャーナルの方とか? でもあそこも僕はそんな簡単に出入りできないしないか。

 絶対にこの学校内に日鞠は居るはず。実は下に行くと店かせて上? 屋上? いや、屋上は今の御時世施錠が厳しい。まあ日鞠なら鍵を手に入れるのは簡単だろうけど……


 体育館は部活で使ってるし……その裏とか? 不良が屯知るイメージだが、この学校には不良らしい不良はいないしな……


(いや待てよ)


 僕は歩き出した。普通に玄関に来て、上履きを外履きに変える。そして校門へと向かった。すると校門の横の花壇を見てる日鞠を見つけた。後ろ姿だと地味だからか、案外気づかれてない。ただお花の世話をしてるやつに見えてるみたいだ。


 そう基本的に日鞠って地味な見た目なんだよね。


「いくら地味でも、大胆だろ」

「でも気づいてくれたのはスオウだけだよ」


 そういった日鞠は満足そうだった。

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