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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1490 校内三分の計編 150

「摂理ちゃん、そういうのはあんまり感心しないな」


 その言葉を言った瞬間、空気がちょっと固まったきがした。日鞠の奴がそんな事を言うのもだけど、わざわざここでそんな風に公に批判するなんて事をしたからだ。

 どっちかというと、日鞠は争い事とか好まないたちだ。調和を重んじるし、批判的な事を直接言うことなんかない。そう思ってても、自然とそれが駄目だと気づかせたりする。それが日鞠は出来る奴だからだ。そうして、自分自身に気づかせる事が、その人の成長につながる……とかそんな事を言ってたくらいだ。

 けど、今の言葉は明確な摂理への批判だったと思う。てかこの教室にいる皆はそう思っただろう。だからこそ、こんな空気になってる。


「どういう事かな……日鞠ちゃん。私……いけない事してるかな?」


 ちょっと怯えた様に摂理はそういった。それと同時に庇うように摂理の前に出てくる男子たち。それを一瞥する日鞠。


「そうです。彼女は何も悪いことなんかしてません。会長、いいがりはやめてください」

「選挙違反は何も無いはずだ」

「そうだね。別に選挙に関する事には違反してないよ」


 そういう風に認める日鞠の奴。何を忠告してるんだ? すると今度はその男子たちを見て言うよ。


「君たちは、摂理ちゃんを支持するんだよね?」

「当然です!!」

「当たり前ですよ!」

「うん、それはとってもいいことだよ。ちゃんと摂理ちゃんに票を入れて上げてね」


 実は日鞠脅してる? いや、忠告か? 日鞠は脅して票を入れさせる――なんて考えるやつじゃない。日鞠の強さは正攻法だ。確かに彼奴はなんでも出来る奴だけど、相手をする時は大体正面からやってくれる奴だ。

 でも誰も勝てないんだけどね。そこがこいつの凄いところだ。日鞠は正攻法で叩き潰してくる。だからこんな脅しの様な事はしないはず。摂理の信者達はそうおもってないようで、票をいれてあげてね――って日鞠が言った後に勢いよく声を上げなかったけど……


「それは脅しなの?」


 摂理の奴が必死にその言葉を絞り出した。


「脅し? ああ、ううん違うよ。純粋にちゃんと摂理ちゃんに入れてほしいだけ。だってこんなに摂理ちゃんの味方してくれてるんだからね。そうであら無いとだめじゃない?」

「皆は……私にいれてくれないの?」


 流石にここでかばってる人達は自分に投票してくれると思ってただろうけど、不安になったのか摂理がちょっと瞳をうるうるさせていう。それだけで、大半の教室の男子たちがドキンとしただろう。

 勿論信者達は今度こそ、本当に「入れる」「入れる」といい出した。


「良かった……」

「ぞれは言わせてるだけだよ摂理ちゃん。上辺だけじゃ、本当に人を動かすことなんて出来ないよ」


 安心してそういう動作をしてる摂理に日鞠はそんな言葉を投げる。更にもう一歩踏み出した。


「摂理ちゃんは可愛いからね。それ自体が悪いことなんて言わないよ。でも、それに頼るだけじゃ駄目だよ。誰かを動かす事だって、自分に芯が必要なんだよ」

「それは……日鞠ちゃんだから言えることだよ……」

「摂理ちゃんにだって出来るよ」

『そんな事を言わないでよ!!」


 摂理が大きな声を出して、日鞠を見る。その声に廊下に居た生徒たちも何事かと集まって来てる。この話、このままここでやるのまずくない? その時、ちらっと日鞠が僕を見た。

 やっぱり何か、日鞠には狙いがありそうだ。

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