1489 校内三分の計編 149
「ごめんね、こっちも忙しくて」
「そんなのは詭弁では? 貴方はこの学校の代表である生徒なのに、その生徒が学校にも来ずに生徒会長選挙にも積極的に参加してない。これは問題ではないですか?」
素直に謝った日鞠に対して、鬼の首を取ったかのようにまくしたてる摂理陣営の人たち。まあ摂理の陣営の中でも、かなりの信奉者のやつだ。真面目そうなサラサラメガネくんは僕に対しても、常に敵意有る目を向けてるやつだからね。
実際あの男子は、カーストでいうと下位の奴だったはずだ。いや、最下位はいつだって僕だけどさ、一応僕はカースト的には上にいる秋徒って傘に守られるからね。
それに無視やちょっとした敵意くらいしかなかった訳で、そんな僕を覗くと、一番目立たなかった存在は彼だ。名前は……知らん。
メガネくんはメガネ君なのだ。それでいい。だってどうせ、誰も僕と親しくしようとはしなかったからね。メガネ君はいつも一人だった。ちょっと親近感あったんだけどな……休み時間にも机に突っ伏して寝てるか、一人二人と話す程度だった。多分その一人や二人も別クラスのやつなんだろう。二年になる時に離れ離れになって、今のクラスには親しい奴が一人もいない……そんな感じかな。
僕は幸いにも秋徒も一緒っで、摂理も日鞠も変わらずだった。これには流石に日鞠が何かしたんじゃないかと思ってる。だって、今の日鞠の発言権ってめっちゃ強そうじゃん。下手な教師なんて日鞠に逆らうことなんてできない。
普通ならそんな状況ならもう天狗になって鼻が伸びまくるだろうけど、日鞠はそんな事はない。いつだって礼儀正しくしてるし、不正なんて……僕が絡まないこと以外ではしないからないとは言えないな。
まあそんな陰キャな彼がああも変わってしまうなんて……ちょっと前まで、確か会長……つまりは日鞠に憧れてたよね? 一体何が彼をあそこまで変えたのか……やっぱり恋? とか?
「私は確かにあんまり選挙活動してないけど、私は今までの全部が選挙活動だと思ってる。そしてそれをちゃんと皆がみてくれてるって信じてるから、不安なんてありません」
「うう……」
きっぱりとそう言いきった日鞠にメガネ君は口ごもる。だって日鞠の目には迷いなんてない。日鞠は信じてる。自分をそして周りをだ。そしてその周りは僕達の事で、この学校の生徒みんなだ。まあ一年生はまだあんまり日鞠のこと知らないと思うけど……でも僕達は誰よりも近くで日鞠を見てたわけで……今の日鞠の信頼をメガネ君も受け取ったはずだ。
だから彼は口ごもったんだ。言い返せない、日鞠の事を彼だって見てたから。
「摂理ちゃん、そういうのはあんまり感心しないな」
ん? 日鞠が日鞠らしい事を言ってた……と思ったら、なんかそうらしくないことをいって摂理をちょっと批判する。どういう事だ? これを言いに、日鞠は顔を出したのか?
あけましておめでとうございます!