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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1486 校内三分の計編 146 

「ヤッホーイスオウ。針のむしろされてますデスか?」

「嫌味か」


 なんかクリスの奴が一人で僕がいる所にやってきた。後者の端っこの誰も通らない様なスペースを見つけてそこに毎回逃げ込んでるのに……なんでこいつはこの場所を知ってるんだ?


「ああ、最初にボッチが行きそうな所も完璧にリサーチ済みデスよ」

「うるさい」


 くっ、こいつどれだけ無駄なデータを集めてるんだ? 普通そんなの調べるか? まあ実際、ボッチが行きそうな場所をリサーチしてた訳じゃないだろうけど。


「それでなんか用でも? 忙しいだろ」


 あとちょっとで生徒会長選挙も終わりだ。終盤戦は忙しいだろう。僕なんかにかまってる暇はないと思うけど。


「そうでもないデスよ。予定通りデス」

「予定通り? その予定って何だ?」


 なんかそこが気になった。そもそもがクリスの奴はただの賑やかしだと僕は思ってる。だってこいつが生徒会長なんてやるわけないからだ。こいつは某国のスパイだからね。


 生徒会長選挙で生徒会長なんかに成ってる場合じゃないだろう。だから普通に摂理のため……なんだと思うけど……どうなんだ? 


「ふっふ、それはまだ秘密デス。皆があっと驚くことデスからね」


 嫌な予感がする。まあ学校の行事の身の危険が及ぶような事はしないと思うけど……でもね……こいつの場合裏の顔が裏の顔じゃん。最悪、暴力に訴える事もできるからな。不安だ。


「そう言えば、あれってお前の悪知恵だろ?」

「あれってなんの事ですか?」


 とぼけやがって。口笛とか吹いて、絶対にわかってるだろう。なんか最近、摂理が怪しい事をやってる。いや、別に怪しくない。寧ろあざといというか……あからさまに男子を取り込もうとしてる様な……さ。


 教室でも消しゴム落としたり、席が離れた奴に視線を向けては目があったらニコって奴。それに廊下でもハンカチ落としたり、周囲に信者共がいるのに車椅子の操作をあやまった振りして、そこらの男子にアクシデントを襲おってきっかけ作りて知るぞ。


 今日だけで結構見た。男子高校生なんて世界で一番単純な生き物だ。摂理の奴の容姿の評判とかわかってても、実際に至近距離まで近寄るなんて事は早々ない。

 でも向こうから近づいてきて、更にその評判以上の見た目だったら……男子高校生なんてイチコロだろう。実際摂理がそれをやってた男子たちは皆、間抜け面して摂理の方をずっと見てた。

 それこそまさに夢見心地みたいな顔だった。選挙期間も短くなってきたから、直接的な方法に出てるんだろう。でもそれを摂理が自らやるかってなると疑問だ。だから入れ知恵したやつがいる――となるとこいつしかいない。


「まあ摂理に恋するのは自由デスからね」

「思わせぶりなことばっかりやってると、危ないだろう」

「そこを上手くコントロールするのもいい女って奴デスよ」


 確かにクリスの奴はそれが出来るんだろう。でも……摂理にそれが出来るとは思わないし、こいつだって思ってないだろう。クリスの奴……本当にどういうつもりだ? 

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