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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1483 校内三分の計編 143

「おは……よう」

「うん、おは……よう」


 一夜明けた。昨日酔って帰ってきた筈の夜々さんは既に家を出てるのか、朝食の場にはいない。まあいつものことだけど、あんな風に毎日毎日遅く帰ってきて早く出ていくとか仕事って大変なんだなって思う。

 てか夜々さんってかなりの重役の筈で平社員とかじゃないと思うんだけど……それでもこんなに忙しいんだね。社会が恐ろしく思える。

 てか僕が知ってる大人たちって、皆疲れ切ってるからな。これで社会に不安を持たないのは無理がある。まあ今は将来のシャイ進出よりも、今のこの気まずさなんだけどね。


 昨夜、流されて僕は摂理とキスしそうになってしまった。それは酔っ払いの帰宅に寄って防がれた訳だけど……あの行動がなくなったわけじゃない。

 あの後、自分の部屋のベッドで悶々としたのは言うまでもない。だってキスだよ……目を閉じると、あの時受け入れ態勢になってた摂理の顔が浮かんできて大変だった。その……一部分が興奮して寝るところではなかったというか?


 だから寝不足気味だ。そしてその原因と言ったら悪い事の様だけど、まあその原因の摂理が対面にいるからね。実は自分だけがめっちゃ気にしてる……とかだったら、まだよかった。なんとか取り繕う事もできただろう。でもめっちゃ摂理も意識してるのがわかる。


 僕はそんな鈍感系じゃない。むしろ敏感な方だ。そして演技とか別に得意でもないし……摂理が顔を赤らめてそむければ、こっちも意識してそうしてしまう。なので気まずいのだ。


「あらあら、どうしたの二人共? お口に合わなかったかしら? やっぱりパン系の方がいいかしら?」

「いえ、そんな事ないです!」

 

 僕はとりあえずおばあさんの作ってくれた朝ごはんに集中する。まさに純和風の朝食だ。白飯に味噌汁。更に卵焼きと梅干しとかだ。

 懐かしさ……とか感じる歳でもないが、僕の日本人の心がこれぞ朝食だといっている。だから別に文句なんてない。好きだしね和食。

 摂理はたまにはパンとかがいいとか言ってるから、そのうちおばあさんもそのリクエストに答えてくれるだろう。


「「いただきます」」


 なんかタイミングかぶった。するとおばあさんが「ふふ、なかよしさんね」とか言うから、なんか再びきまずい空気が生成された。

 とりあえず僕はガツガツと食うことにした。そうすることでこの空気を感じてないってアピールだ。僕たが食べてるのを見てた摂理も小さく箸にご飯を撮ってもそもそと食べだした。


 最初はスプーンが標準だったのに、いつの間にか箸を普通に使える様になった。まあ持ち方は怪しいけど……それにまだまだ慣れないのか、力を込めづらいのか、摂理は本当にちょっとずつしか口に食事を運ばない。

 まあなんか可愛らしいんだけどね。


 そう思うと、なんかついつい手を止めて見てしまう。それはまずいと思って、僕は食事に集中した。そして今日も学校が始まる。

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