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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1476 校内三分の計編 136

「ちっ」


 僕はアイテムで出した風で向かって来た触手を防いだ。でも一回防いだだけで、せっかくある程度掴んだ風が霧散していく。一回手元を離れてしまった風を再び掴むのは難しい。てか無理だ。

 これで札一枚分、無駄にしてしまった。


(フラングランで防ぐと駄目だからって風でまともに受けるのもだめだな……)


 更にもう一枚風の札を使う。予測できない動きに、かなりの速さだから、かなりこの触手を操る新種の対処は難しい。それに……どうやらこの触手にふれると、徐々に体に痺れというか麻痺毒が浸透していくみたいだ。まだ一回くらいしかまともに当たってないから、そこまで影響はないが、何回も直撃してると、きっと動くことも困難になってくるはずだ。僕はなんとか接近戦に持ち込みたいが……素早さも同等くらいだからな……難しい。触手をかいくぐるのか今は難題だし。


「これも駄目か……」


 次は触手に対して防ぐんじゃなく、受け流す方向で行く感じだったんだけど、触手の攻撃が強いから、上手く受け流す事が出来なかった。今の繋がり具合では完全に制御できてるっていい難いからな……繊細さがいつもよりも欠けてる。この状態では、受け流すって繊細で技術を要する事は無理っぽい。ヤバいな……あと三枚しか風の札はないぞ。でも迷ってる暇はない。

 なにせ一応今は仲間の彼らが、かなりボッコボコにされてる。いや、善戦してるとは思うが……どうやらすぐに通り過ぎた僕とは違って、向こうは呪いの重ねがけをされてるみたいだ。

 それは確かにな……しかも見てる限り、呪いと幻術とか操るタイプみたいで、戦場を混乱させる事にめっちゃ長けてるタイプだ。向こうにも斥候とか、戦場を俯瞰的に把握出来るスキルを豊富にもってる奴が居ないとあれを相手にするのは厳しいだろう。


 こっちも楽じゃないが、向こうかなりヤバい。そこまで助ける義理もないんだけど……このままでは全滅コースだな。ここで別れたら、また彼奴等から接触するのを待つことになるしね。彼奴等の懐に入り込みたい僕としては、ここで仲間意識でも芽生えさせて置きたい所。


(まあ、そんな余裕こっちにもないんだけど!)


 フラングランがめっちゃぬめぬめして基地も悪い。そしてそれは妖精たちの方が思ってるのか、僕に文句たらたら言ってくる。風を自由に扱えないってのがこんなにも不便とはね。

 威力を出そうにも集めれる風では無理だし、完璧な盾にも不十分。受け流す程に繊細な操作も無理……ちょっとスピードを上げて、立体的な動きを出来るくらいにしか今の所使えてないぞ。


(全方向からくる触手を把握できればまだ避けると思うんだけど――待てよ?)


 僕は一か八か、一枚ずつ使ってた風の御札をここで全部使った。掴めるだけの風を掴んで、ぞれを薄く広く、自分が影響を及ぼせる範囲全てに風を広げた。

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