表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1462/2696

1462 校内三分の計編 122

 僕は意識を自分の中へと向ける。目で見るような事を意識しない。とりあえず不自然じゃないように、涙を拭う様に目元で腕をゴシゴシやってる振りでもやっとくよ。これだけ涙を流してたらおかしくないだろう。目も閉じて……けど、見えると意識する。するとぼんやりとコードだけ浮かんでくる……気がする。見えてる……っていう表現が正しいのかわからないが、わかる。これは祝福があるからこそ、こういう風にコードを感じる様なことが出来るのだろうか? でも自分の中のしか見えない気がする。でもそれはおかしい。なにせ世界はデータだから。見ようと思えば見れる筈。それに自分の分もまだ曖昧というか、慣れてないだけか? 


(自分に……いや、プレイヤー一人一人に掛かってるであろうセキュリティみたいな物がある)


 でもそれは当たり前か。プレイヤーが自分でデータをイジれる様になったらパソコンでやるゲームとかと同じで絶対にデータを弄ってズルをする奴らが出てくる。今の所LROではそういうのを聞かないが、祝福がもしかしたら広まったらそういうやつも……むしろ会長はいち早くチートをしてる様なものか? もしかしたら目を閉じてても自分のコードを感じれるのは、祝福でセキュリティの一部が開放でもされたのかも。

 普通のプレイヤーなら、いくら意識を内部に集中してもコードが見える事はきっとない。なにせこういう世界の裏側? みたいなのってある意味無粋だからね。だって皆ここを本当の世界の様に感じて、だからこそ全く新しい自分になったり出来るわけだ。なのにわざわざ裏側をしる様なのは……ね。その没入感を妨げるだろう。だって世界がこんな文字と数字の羅列で出来てるってなんか興ざめじゃん。それがなんと自分自身も……


 とりあえずこの涙を止めるためにも、僕は更にコードを見やすくする為に、更に制限を解除することにした。なんか警告が出てきた。普通なら、これをすることで一部のスキルの影響を受ける事がなくなって、ゲームプレイに影響が出ます――的な何かだろうけど、でもどうやらLROはそこら辺のゲームとは一味違うようだ。警告文にはこう書いてあった。


『この制限を取り払う事で、貴方は可能性を押し広げる責任を伴います』


 意味がわからん。なにその仕込み。まあなんか恐ろしい気はする。多分その大部分は責任っていうワードだろう。責任って聞くと、重いんだよね。いいイメージがないってのもある。てか僕は涙を止めたいだけで、なんでこんな重いものを背負わないと行けないんだ? 疑問が湧いてくるね。でも普通の視界では止まらない涙をどうすることも出来ない。下手したら、雑にコードをいじったせいでおかしくなってるのなら、ずっとこのまま……なんていう苦行を強いられるかも……それは嫌だ。くそ……とりあえずここは一度同意してて、後からまたロックを掛けておけばいいだろう。僕はそう思ってとりあえず同意して上げた。


 すると目をつむってるはずなのに、周囲のコードも一気に視界がひらけた様に見える。


(うっ……)


 情報過多だ。目を閉じてるはずなのに情報過多。人が得る情報の八割方は視覚だと言われてる訳だけど、それがないはずなのに、僕はそれ以上の情報を今覗いてる。それが脳を著しく圧迫してる。


(なるほど……これは制限掛けておくべきだよ)


 こんなのずっと流れ込んで来るなんてなると、頭が爆発しそうだ。普通に耐えられるものじゃ……ない。なにせこの情報から逃れるすべがない。だって今の僕は目を閉じてるんだぞ? 開けてる間だけ……ならまだなんとかなる。でもそうじゃない。そんなのLROには関係ない。なにせその制限を解いたのは自分自身なんだ。頭がズキズキするなか、僕は明確に見える様になったコードから問題点を見つけ出して、とりあえず涙をとめることは出来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ