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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1461 校内三分の計編 121

「お……おい、大丈夫か?」


 僕の滝の様に溢れ出した涙を見て、皆さんちょっと、いや、若干……いやいや明らかに引いてる。まあね。いきなりドバーという感じで涙を流しだすやつなんて見たらそりゃあ引くよ。それに僕そんなキャラじゃないし。それこそ昔は何考えてるかわかんないとかよく言われるキャラだったんだ。うんうん。こんな直情的に感情なんて出さないから。まあこの涙は全然感情伴ってないけどね。でも流石にこの量の涙を隠すのは不可能……というか流石にLROでもこんな涙を流した奴はいないだろう。


 確かにLROは過剰表現とかやるときある。感情を表現する時とかに、自分の背景に漫画のエフェクトみたいなのを出したり、頭をぶつけてコブが出来たらプクーと頭蓋骨がふくらんでるんかい!? とかみたいな漫画的表現とかある。けどこんな滝みたいな涙は見たことない。ボロボロと宝石みたいな涙を流すみたいなのはちょくちょくあるけどね。女の子にはそういうの多い。


(くっそ、止まらない)


 僕は今も必死にコードを確認してるだけど……いかせん、滝のようにあふれる涙が邪魔過ぎる。いくら目が良くても、涙のせいでまともに開けてられないっていうね。それに流石にずっと滝のような涙を流しながら無言ってわけにもいかないだろう。


「だ、大丈夫です。ちょっと人の温かに焦がれて居たんだけで……」


 とりあえず適当な事を言っておく。この人達は僕の事情をわかって接触してきたわけだからね。都合のいい言葉を言っておくよ。涙のおかげで恥ずかしいと思わせておいて、その間に、コードを修正することに躍起に鳴ってるんだけど、多分向こうは気づいてないはず。


「そうだなよな……あんな事があったんだ」

「まあそんな気にするな。真実は知らないが、他の奴らみたいな陰湿な事はしないぞ」

「……あ、ありがとうございます」


 くっそー原因はお前らのせいだからな。めっちゃ同情してる感じだしてるけど、きっと内心しめしめとか思ってるだろ。でもそれに気を回してる暇がない。なにせコードの修正がちっともすすまない。本当に涙で視界が……


(見辛い……ってか、ここってLROなんだからこれって本当は眼球で見てるわけじゃない……よな?)


 そういう風に見えてるだけの筈……リアルなら、実際に眼球が光を取り込む事で周囲のものを認識ししてる。それは絶対にそうで世界の法則みたいなものだ。でもここは違う。限りなくリアルを再現してるが、それは全てデータだ。だからこの視界だって、眼球から見える様に見えてるだけで、そういう処理をしてるに過ぎない。


(なら、目で見ようとしなけれは実は……)


 普通なら真っ暗になるだけだろう。だって視覚から得られる情報で見える部分を狭める事は演出的にもそして負荷的にも大切なことだ。けど、僕には普通のプレイヤーが持っていない祝福がある。僕は思いついた事を試して見ることにした。


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