表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1460/2707

1460 校内三分の計編 120

「なるほど、君があのテア・レス・テレスに喧嘩を売ったという。なかなの豪胆さ。そうは見えないが……そういうのキライじゃないぜ」

「いや、だから別に喧嘩売った訳じゃ……」

「いやいや、誰にだって出来ることじゃねーんだぞ! やったことに意味があると俺は思うぜ!」


 そう言って僕の言葉を遮って顔はイケメンなのに、体がムキムキでアンバランスなボディビルダーみたいな体になってるその人がその腕を首に絡めてくる。いやいや、筋肉あり過ぎて苦しいんですけど!?


「僕の事……嫌わないんですか?」


 僕は苦しいのを我慢しつつ、そんな言葉を紡ぐ。僕がレスティアで色々と酷い事をされてるってのは、まあ大体のプレイヤーなら知ってる筈。だから全てを言わずに「あなた達は他の人達とは違うのか?」という問いかけをしてみたのだ。定番だろ?


「嫌う? そもそもが好きか嫌いかを断じる断じる程、俺達仲良くねーよ。そうだろ?」

「そ、そうですね」


 ちょっと意外だった。コイツラは僕の懐にさっさと入り込みたいはずだ。だからこそ、さっさと僕の心の隙間に入り込むうとしてくるだろうと思ってた。具体的には、ここで僕の言葉を肯定してくれると――そう思ってた。でもそうじゃないと……なかなかにやるね。確かにいきなり会った奴に全肯定されるのも怪しい。ここはまあ、テンションで乗り切れるかもしれないが、後になったらなんか都合が良かった……とか思われる可能性はある。

 なにせここは誰もが何かを演じてたりする。それが普通だし。それに酔ってるの奴らはいっぱいいる。気が大きく鳴ってる奴らだっていっぱいた。なにせ新しい人生を送ってるんだからね。こいつらもなにか企んでるみたいだけど、リアルでは超真面目で、LROで発散してるだけなのかもしれない。


「だから、ほらもっとお互いに知ったほうがいいんじゃないか? 何があったんだよ? 俺は他人のクソみたいな評価だけを鵜呑みにしたりしないぜ」


 格好いいセリフだ。本当に僕が周囲の偏見に押しつぶされそうなときにそんな事を言ってもらえたら、コロッと落ちたかもしれない。でも……


(こいつらマッチポンプなんだよな〰)


 僕は裏側を知ってる。だからまあ、コロッといくことはない。なんか表情を作る……とかは難しい。涙を感情に任せて流すのもなんか難しい。だからここは自分にしか出来ないやり方で、うつむいて一筋の涙を流した。つまりはコードだ。涙を流すみたいなコード書いてみた。


「うお!? どうした!!」


 するとなんとどこか間違ってたのか、蛇口かっくらいの涙が僕から流れ出した。ヤバい……これじゃあギャグじゃないか。でもこうなったらわんわん泣くしかねえ!恥をかき捨てろ僕!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ