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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1459 校内三分の計編 119

「えっと……あ、ありがとうございます! 助かりました」


 僕はなるべく明るい声を出して、自分の思惑が顔に出ないように務める。だって今の僕は内心では「しめしめ」って思ってるからね。流石に助けられた側だし、あんまりそんなローテンションでもおかしいでしょ。まあ別に苦戦……はしてたけど、やられる程ではなかったし、余計なお世話って感じを出してもいいんだけどね。それに僕は今は結構プレイヤーに迫害されて、ちょっとやさぐれてるって設定だった。


 まあそれならこの瞬間でも、やさぐれててもおかしくはなかったとも思う。そういう風にしてたほうが、この良からぬことを企んでる奴ら的には好みだったかも。今からでもそっち方面に行けるかな?


「いやいや、プレイヤー同士、危ない時は助ける物だ」

「そうそう、だから気にするなよ」


 お? なんかこいつら自身もいい人風で行くようだ。まあ確かになにも知らずに助けてもらったら、普通にいい人達が通り掛かってくれた〰ってなるかもしれない。てかそれが普通か。なにせこいつらと僕は面識ないし。とりあえず信頼させるためにはいいやつを演じるのが一番だしね。ならコイツラは僕の信頼を勝ち取る間はいい人を演じるってことでは? それなら僕も付き合うか。その方が、間抜けに見えるだろう。まあ僕からしたらこいつらこそ間抜けなんだけどね。なにせ僕は既にコイツラの正体しってるわけだし。

 でもそれをバレる訳にはいかない。僕はコイツラに取って都合のいい存在を演じないといけない。大丈夫かな? 演技とか自信ないんだけど……まあだからってやらないって選択肢はない。なにせコイツラには恨みもある。まあ直接はこの人達には恨みなんてないけど、でも僕を陥れた奴らの一味だし、僕に騙されたってもんくはないだろう。


「ありがとうございます。でも、僕なんて助けて良かっんですか?」


 とりあえず自虐を織り交ぜて、ちょっとやさぐれてる感じを出してみた。なにせ今の僕は嫌われ者……いや前からだったけどさ、でもここまであからさまに表に出る事はなかった。けど、今はもうそれを隠す事をしなくなってるからね。それほど一番巨大なチームに喧嘩を売ったというのは大きいらしい。そしてそれはレスティアにいるプレイヤーなら知ってる筈。その前提で話をしてる。


「うん? おお、まさかお前……」

「はい、僕はスオウです」

「うっお!? おお、なるほどな。へぇー全然気づかなかったぞ。なにせ困ってたみたいだったから助けただけだしな。なあ!」


 おい、もうちょっと演技できるやつを連れてこいよ。明らかに演技下手だぞ。けどその後に続く他の奴らもなんかぎこちなかった。お前らそれで大丈夫なの? まあ騙されて上げるけどね! 僕は疑う事をしらない清い心の持ち主ですよ――ってなわけで、下手演技は気にしない。


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