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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1454 校内三分の計編 114

「じゃあ、私は帰るから」

「ローレちゃん、ごめんね」

「別に謝る必要なんてない。だって私には得しかないし」

「でも、悪者になっちゃうよ?」

「正義や悪なんて、私が決めるの。有象無象の意見なんて気になんてしないわね」

「そっか……まあローレちゃんなら、そういうと思ってたけどね」


 二人はそんな話をしてる。既にテーブルの上にこぼれたお茶はなくなってる。しかもテーブルに敷かれてた布にシミひとつなくて、お茶がこぼれた事実はどうやらなかったことにされたようだ。どうなんだろう? オブジェクトを新しい物に置き換えたのか? この空間なら、会長ならそんな事も出来ると思う。でもあまりにも早いというか、実行速度に僕たちの知覚では追いつけないみたいだ。まあ実際、この世界……LROでそういうものを知覚することなんかない。


 一昔まえのゲームであったような、映像の先のものがいきなり描画されるみたいな現象ね。普通、リアルではそんな事はありえない。だってそこにあるんだから、僕たちの目はそれをちゃんと捉えてる。意識してるか、してないかは関係ない。ないと行けないものがないって事が昔はあって、それを随時描画してるからいきなりオブジェクトが現れるって事があったんだ。それって多大なデータの読み込みに、転送速度的なものが追いついてなかった訳だけど……多大な読み込みってものは、LROはやばいと思う。

 この世界はめっちゃ繊細だ。僕たちの目にはリアルと変わらない解像度……下手すれば、リアルよりもきれいに見える瞬間なんてたくさんある。そういう風景も実際用意されてるわけだしね。それこそ夕日とかこんな色だっけ? みたいに印象的に見える。朝日とかもそうかも? 夜空だって、まあリアルの大都市程の明かりでは流石にないからってのがあるのかもだけど、レスティアでもなかなかにすごい夜空が見える。


 ちょっとフィールドにでて、レスティアから離れれば、それこそもう満点の星空だ。まあ街灯なんてないからだけど。何が言いたいかというと、本当にLROは謎の技術の塊だと言うことだ。下手したら、会長の奴がそこら辺の謎の技術を一番取り込んたり……それこそ運営側よりも……


(流石にないよな?)


 だって運営側は常にLROを解析してるって言ってた。そしてあの人達もめっちゃ優秀なんだ。いつもボロボロだからなかなかそうは見えないが、それこそあの人達、めっちゃ高学歴だからね。まあそれでも一人の天才がLROは完成させてるんだけど……僕は会長、いや日鞠を見る。僕は実際、当夜さんがどこまでの天才だったかなんて触りぐらいしか知らないけど……日鞠の事は誰よりも知ってるつもりだ。


 ずっとこいつと一緒にいるけど……はっきり言って、日鞠のやつの底って見えたことがない。そんなこいつだから……もしかしたらって思う。てか普通に出来るんじゃ……って僕は思う訳だけど。そう思ってると、なんかトコトコと歩いてきたローレの奴が僕のみぞおちにパンチをかましてきた。


「なにぽけーっとしてるのよ? あんたはこれからもっと悪者になるんだから、間抜けな顔してるんじゃないわよ」


 このクソガキ……まあ見た目ガキなだけで実年齢は知らないが……


「スオウ学校では気をつけてね」

「リアルじゃ、気軽に復活できないしな」

「流石に直接なんてのはさせないよ」

「でも、お前に見捨てられた……なんてのが事実として広がったらどんな行動を取るかわからない奴ら結構いるけどな」

「ううーん、これは今までで一番難しい問題かも。だって私がスオウを嫌いになるなんて事ないもん」


 なんかそんな事を会長が言うと、ローレがやれやれなんて感じで首を振る。そして帰還の道を求めてきた。どうやら門のところまで直接つながる空間を作るらしい。なんでもありだなこいつ。僕ももう一度レスティア戻らないとな。なにせ……僕にはさっきまで見てたやつと接触する役割がある。

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