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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1453 校内三分の計編 113

「彼奴等を潰して、奴らの企みを明るみに出せば、この騒動は収まるよな」

「それで一件落着……なんて考えてるわけないわよね?」


 僕とローレはそんな事を言って会長を見る。実際、これを見る限り、十分な証拠を既に会長は集めてるんじゃないか? と思える。だってアジトまでこうやって把握してて、簡単に四六時中監視できるんだよ? これって別にカメラをどこかに仕掛けてる……とかではないと思う。なにせLROはデジタルの世界だ。リアルではない。俺達が感じてる全ては描画されてるわけで、でも、描画されてないものをある訳で……ようはそのデータを引っ張って来れればいいのだ。そして会長はカメラなんてなくてもその映像にアクセスしてるだけ。だからきっとカメラなんてものはきっとない。一応魔法にも千里眼的な遠くを見たりする奴はあるらしいし、それだって別にどこかにカメラを飛ばしてるわけじゃない。


 視界の先の先のデータを見てるって感じなんだろうから、コードを操れるなら、出来る。でもあれってなんか相手には見られてるって感覚があったりなかったりだとか聞くけど、これはどうなんだろう? 僕的には今見てる悪巧みしてる彼彼女達を知ってるか? と言われたら、元々そんな他のプレイヤーに興味なんてないから、知らないが……多分腕は立つ方なんじゃないかな? そんな雰囲気はある。


 それにこんな事をやってる奴らは、軽快だってしてるだろうしね。まあ本当に警戒してるなら、自分たちのエリアで重要な事は話すべきだった。ただ誰もここまでのことが出来る……なんて事は知らなかっただけだ。僕なんかよりも大抵の人はエリアの知識があるものだろうし、こいつらだって多分ここなら大丈夫だと思ったから、こんな重要な話をしてる。まあ普通は買った、借りた部屋は一応はちゃんとプライベートルームみたいな扱いだしね。

 まあけど、自分たちのエリアがある今だと、そこまでLROの方に無理に部屋を借りるっていうのもあんまりない気はする。前はいつかはLROで家を持ちたいってのはあったと思うけどね。それこそ街なら買えば持ち家が手に入ったし、強者ならどっかのフィールドに自分で建てる……って猛者もいたと思う。でも今はエリアを自由に出来るからね。チームに入ったら、そのチームと基本エリアって統合されるけど、それをやらない選択肢もある。自分の最初にもらえる狭い範囲のエリアだけで、小さなロクハウスを建てて、畑にしたり、川の幅を調整して自然的にもっとしたりってまるで箱庭の手のひらサイズの自分だけの空間って感じで、なんかおしゃれなエリアをSNSに上げてる人たちは案外いるらしい。


 まあだからわざわざ家まで借りる人は珍しいっていうか、ある意味こういう奴らがもしかして今は多いのかも? 悪巧みの拠点になってるとかさ。だからわざわざ会長の奴はそういう事をやったのかも? 


「彼らは確かに中核かもしれないけど、まだきっといるし……出来るなら一網打尽にしたいんだよね。だから――」


 僕とローレは会長の言葉に耳を傾ける。会長の反則みたいな祝福の技術があれば、なんでも出来るように思えるが、流石に他のエリアには手を出すことはできないらしいし……今度の相手は裏側の奴らだ。表の奴らなら、それこそエリアバトルなんてものでやってくるから倒すのは簡単らしいが、裏稼業みたいな奴らはそんな事をわざわざやって来ない。嫌がらせをこうやってちまちまやって行くのだ。


 そんなのに悩まされるのは会長的には無駄でしかない。だからこそ、一網打尽な策を打つ……まあ一網打尽といっても、ここでは暴力に訴えるとかあんまり意味を持たない。なにせ悪さをする奴らは変な方向で図太い物だ。なにせ悪いこととか、迷惑だと思われる事をわかっててやってる奴らである。そしてLROはそれこそ変装とか簡単だし、倒しても復活する。そんなLROで悪者に後悔させるって難しい。

 まあけど……確かにこの会長の策なら……


「でもそれって出来るものなの?」

「相手の了承があれば可能だよ」

「了承って……」


 一番困難な事をさらっという会長にローレは頭を抱える。この世界、危なく成ればログアウトという絶対の逃走方法がある。だから、そこらへんも難しいが……でもコイツラが、屈するまでやるのなら……まあね。少なくともLROでコイツラの活動場所はなくなるかもしれない。

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