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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1448 校内三分の計編 108

「えっと座る所がないんだけど?」


 フラワーキャッスルの中でも特別な空間にあるこの部屋は黄金色の光が差し込んで、とても神秘的に見える部屋になってる。他の城の部屋と遜色ないくらい家具は揃ってるし、それにこの光源が加わって神秘度増してる。ムダに広いしね。それなのになんでそこそこのテーブルについてる椅子が2つしかないんだよ? バランスが悪いわ。


「従者は主の前では立ってるものじゃなくて?」

「誰が従者だよ」


 僕は確かに今はローレのチームに入ってるが、ローレのやつの部下になった覚えはない。そりゃあ従ってはいるけど、でもあんまり理不尽なことは拒否するしね。拒否できるかはこいつの気分次第なんだけど……うーん、こいつの部下ってこともあながち間違ってない気がするな……一応今は自由を求めてるわけだけど。


「そうだよローレちゃん。スオウはスオウだからね。はい」


 会長の奴はもちろんリアルの見た目とは違ってる。テア・レス・テレスの制服に身を包み、長い黒髪を纏めることもなく流してる。まあそこら変はリアルの容姿を反映させてる気はする。会長はいつも三編みしてるからそんなに毛量が気にならないが、相当長い。なら普通に流してたら、多分こんな感じだろう。いや見たことあるけどね。風呂上りとか。身長とか体つきは多分ほぼリアルのままで会長の奴はやってると思う。違和感ないしな。でも……一点ちょっと盛ってそうな部分はある。おっぱい……とか。いや、変わらないようにもみえるけど、ちょっと大きい気もする。まあそこは女としてのプライド? 的なものもあるだろうし、僕は指摘しないけどね。

 まあ一番の違いは分厚い瓶底眼鏡をこっちではしてないことだね。あれと三編みのせいで会長というか日鞠はかなり地味に見られてるからね。まあ会長というキャラはそこそこ美人って感じでLROなら目立つことはないような容姿だ。雰囲気的にはリアルの顔と近い気もするけど、ぜんぜん違う気もする変な感覚の顔してる。やっぱりメガネが印象を変えてるのか? LROでは珍しく黒髪黒目にしてるのは派手さを好まない日鞠らしくはある。

 そんな日鞠は「はい」といった時、どこからともなく椅子を出した。いや、空中から取り出したとかじゃない。なんか、いつの間にか一脚増えてた感じだ。そこそこに大きなテーブルだったから、一脚増えても物足りない感じだ。それにその位置……普通に会長の隣だし。


「あれれ、間違ってるんじゃない? ここからの話し合いは私とスオウ、テア・レス・テレスの貴女って構図でしょ?」

「何も間違ってないですよローレちゃん。だって私はスオウがどっちに所属してるか……なんて気にしてませんから。スオウは――(私の)――スオウですもん」


 いま会長の奴ちっちゃく「私の」って言ったよね。なにかバチバチとした女の戦い僕を巡って起きるのか? とか思ってちょっとドキドキ――


「まあ別にいいけど」

「ありがとうローレちゃん」


 なんかあっさりとローレのやつが引きやがった。珍しい。自分のもの……と思ってるものは意地でも手放そうとしないやつだぞ。それとももう僕がチーム抜けるの認めてくれたのか? とりあえず僕は会長が出した椅子に腰を下ろす。


「そういえばこれってどうやって出した?」

「ふふ、看破してくれていいよ?」


 質問に挑戦で返された。なにそれ、自分で見破って見せろってこと? いや、多分会長は僕にならわかるってことを言いたいのかも? 僕はちらっと向かいのローレを見る。するとローレは僕の視線に気づいたのか肩をすくめる。それはローレには見破れなかったってことか? でも僕には……と会長は言う。まあちょっとくらいは探るか。

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