表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1442/2708

1442 校内三分の計編 102

 何やら周囲の目が厳しめになってる。いや、さっきから厳しい目だったのは確かだ。けど、今は『なにこいつ? また嘘吐いてるのかよ』的な侮蔑の目になってる。昨日の今日だからね。しかも僕がここからヴァレル・ワンを盗んで堂々それをアピールしに戻って来た……みたいなに広まってるし。そんな事を昨日したのに、また……的な感じだよ。いやいや、僕はただよばれただけで……


(待てよ、僕を呼んだのは会長じゃなくて、ローレの奴なんだよな……)


 よく考えたら、会長が一緒に居るなら、会長の奴からメッセージが来てもおかしくない。メッセージとかは本人以外には見れないんだし、何かやましい事がバレる事なんかないし……そこで神経質になる必要なくない? でもローレの意外からのメッセージは来てない。ちょっと確かめる必要があるな。僕はそう思って、とりあえず素直にここから離れる事にする。


「わかりました。ご迷惑をおかけしました」


 僕は成るべく物腰柔らかく、丁寧にそういった。あんまり角を立てたくないからね。僕がフラワーキャッスルから離れようとすると、色んな所から「どっかいけー!」とか「この街から出て行け!」とかヤジが飛んでくる。全く、暇な奴らもいたものである。でもこれじゃあ、どこにいっても悪口が振ってくるな。流石にちょっと静かな場所に行きたい。と言うことで、宿屋にきた。でも――


「申し訳ありません。今、当店は満室となっております」


 ――そうやってめっちゃ断られた。三件くらい回って全てそうだ。いやいやおかしいだろう。だってああいう店番してるのって大抵NPCでしょ。その人達まで……なの? まあ彼等はちゃんと感情も持ってるし、NPCといってもほぼ僕達と変わらない。そして彼等の仕事もテア・レス・テレスが回してたりもするからね。だからレスティアのNPC達はテア・レス・テレスに良い感情を持ってるのもわかる。だから彼等は彼等の判断で、僕に嫌がらせをしてると……そういう事だろう。


(待てよ? 宿屋がこれなら、鍛冶屋とか道具屋とかも僕に辛く当たるんじゃない?)


 その可能性は高い。ヤバいな……本当にレスティアに居られなくなりそう。まあそれも覚悟の上だけど……今日はまだここに居ないといけない。

とりあえずしょうが無いから、レスティアで寂れた所でも探して……とか思って色々と屋根の上を走り回って見たけど、案外どこにだって誰だって居るんだよね。屋根でもイチャイチャしてる奴らとか普通に居るし。何組か見た。LROは身体能力上がってるからね。

 それに屋根から万が一落ちても別に怪我なんてしないしね。だから思いっきり逢瀬を楽しめるんではないだろうか? まあLROは最後まで……なんて出来ないけど。てかもしかして……レスティアの街ってすっごく考えて作られてる? 無駄になってる区画がないぞ。それにどこか一つに集中って訳でもない。ただでさえプレイヤーもNPCも多い都市だから、上手く分散する様に色々と被ってる役割の建物は分散してるし、必要充分に簡単に拡張できるんだよね。なにせここはゲームの中。解体や設置なんて簡単だろう。


「NPC達の居住区は案外静かだけど……」


 あそこは近所の繋がりとか強いからね。この噂の広まり様からいって、見つかったらろくな事にならない事が簡単に想像できる。結局僕はレスティアの外まで行く羽目になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ