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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1439 校内三分の計編 99

 私は家に帰ってきて、おばあちゃんと共に、ノートを広げてる。おばあちゃんはおばあちゃんらしく、人生経験が長い。それに知識も豊富で、色々と為になる事を知ってる。おばあちゃんの知恵袋とはよく言った物だと思う。それに私には親の記憶も殆どないし、親代わりのお兄ちゃんも今はいない。当然、おばあちゃんなんて存在は知らないわけで……だからおばあちゃんと居ると、もしも私にもそう言う存在が居たら、こんな感じなのかなっておもってしまう。

 そしておばあちゃんとの時間はとてもゆっくりで、ものすごく落ち着く。私はこの時間は好きだ。今私は選挙の最後の目玉。立候補者によるディベート合戦の為に色々とおばあちゃんの知恵と経験を貸して貰ってる。なにせ私は二人に比べてとても不利だもん。日鞠ちゃんは勿論言葉で誰かを説き伏せるなんてのは得意分野だろうし、クリスだってよく口がまわるなぁーって思う位にはペラペラといつだって喋ってる。それに比べれば、私はそもそもが話すって事がそこまで得意じゃない。

 だって私はずっと眠ってたわけだからね。普通の人がこの年までに喋る総数の平均に絶対に私は全然達してない。そんな私があのなんでも出来る二人に対抗するには……事前の準備が絶対に必要。まあクリスは私のフォローをしてくれる筈だけど……今の私的にはやっぱり日鞠ちゃんに勝ちたいし。大丈夫、生徒会長になったとしても、日鞠ちゃんを離す気はない。だって絶対に私が日鞠ちゃんと同じ事が出来るなんておもって無い。そしてみんなもそうだ。


 私の学校での評価って『すっごい美少女』って事しか無い。実際、女としてならそれはかなり最上級な褒め言葉だと思う。普通に嬉しいしね。でもそれだけ。私の事は見世物的な物だ。実務的な所に期待はない。クリスももうそれを認めて、話し合った結果、逆に押すことにした。なにせ日鞠ちゃんに勝ってる明確な所って奴は、私にはこの容姿しかないんだ。だからこれを押すしかない。それに世間の印象的に、トップって飾りってイメージがある。

 自分自身で飾りって言うのはどうかと思う……思うけど、それで訴えていくしか、私には勝てる要素はないのだ。私のお飾りの生徒会長になります! ――っては流石に言わないけど、そういう感じでやっていくのだ。なにせ私の周りの皆も私を支える事にハマってきてるというかね……私がワガママ言ってもなんとか叶えて、私に褒められ事に快感を感じてるらしい。ヤバいね。でもだからこそ、私は別に何もしなくていいのだ。

 ただ間違わない事が大事というかね。そして私の下に日鞠ちゃんさえ取り込んでしまえば……完璧。日鞠ちゃんはブサイクではないけど、華やかな顔はしてない。地味目な顔だ。多分メイクとかしたら化けそうだけど、私は素で誰もが振り返るレベルの顔してる。だから広告塔とかなら、私の方がいい。学校のパンフレットとかに、私が載れば、華やかさが違うし。


「戦う必要なんて無いんですよ。寄り添う事が大事なんです」


 それはおばあちゃんの言葉。寄り添う事。私は戦うって決めて、対決する事ばかり考えてたけど、今の考えにはその寄り添うって事が合ってる気がしてる。これをベースに、私は乗っかる案を出してる。日鞠ちゃんはきっと凄い事をするだろう。でも私はそれに乗っかって、そして私を顔にした方か受けが良い――とだけ伝えればいいのだ。だってそれに反論なんて出来ない。それは私が誰もが認める美少女だからだ。私にはもうこれしかないって思ってる。

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