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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1437 校内三分の計編 97

摂理視点です。

(やられた! やられた! やられた!)


 五時限目の終わり、日鞠ちゃんがやってきた。まあ日鞠ちゃんはなんと羨ましいことに、全ての授業が免除されてる。だから生徒会長として、そっちの仕事……というかもう学校にとどまらない範囲の仕事をしてる。だからそんな日鞠ちゃんはとても忙しくしてるから、学校には来ても来なくても良い感じなんだけど……まあ流石にここまで遅く来るのは珍しいよね。それにわざわざ教室に寄るっていうのもね。ちゃんとそう言う予定はいろいろと組まれてるからね。

 何せ日鞠のちゃんの授業はとても人気だ。それはもう正式な教員免許を持ってる教師達が気の毒になるくらいには人気だからね。何せ日鞠のちゃんの授業はわかりやすい。バカな私が言うんだから間違いない。まあだけど私がバカなのは仕方ないと思うんだけどね。何せ私はずっと病院にいたというか……そもそも精神は病院にも居なかったというか……そう言う状態だったわけだし、当然、その間授業なんて物は受けてるわけない。でも私は日鞠ちゃんにはなかなかに物覚え良いって言われてる。それはちょっとした自信だよ。だって一応この学校に入れたわけだし。お金を沢山積んだとかは一判断材料なだけで、いまでもちゃんと授業について行けてるのはもっと褒められて良いと思う。

 まあそれも日鞠ちゃんのおかげだけど。でもそれとこれとは話しが別だ。日鞠ちゃんのすごさは知ってる。何せ自分で実感したし、この学校に来てから、なんとなく凄い子なんだろうなって思ってた私のイメージが、もうめっちゃ凄い子になったからね。


 今でも時々どうしてこんな、恥しかかかない様な事をしてしまったのか……とか思うし。生徒会長選挙の事ね。クリスに乗せられたせいだね。まあもう後戻り出来ないし、全力でやるしかないんだけど。私とクリスは密約で最終的な票を私へと渡すことになってる。なにせ校内を三分にしたけど、実際二人で別れてたら日鞠ちゃんに勝てるわけ無いのだ。なのでどっちかが犠牲になるしかない。

 クリスの奴は結局の所は楽しんでるだけで、この学校を引っかき回したいのが本音だから、そもそもが生徒会長という地位に興味があるわけじゃない。私だって実際はゲームの時間が削られる事なんかしたくはない。でも生徒会長に私的には憧れがあるのは事実。なにせマンガとか見てても、かなり生徒会長って凄いじゃん。実際はマンガやアニメの生徒会の様な権力を持った組織なんか無いらしいけど……この学校は事実上、それだけの権力を有してると思う。何せ影響力が半端ないし。

 なんか会社とか経営しちゃってるというか、造っちゃってるというか……ね。そんな生徒会ある? まあだからこそ、皆が実はこのままなのを望んでるのは知ってる。でも……私は……私の価値って奴を確かめたかったっていうか。そして一番選んで欲しかったのは……


 私はなんとか目の前の教師の目を盗んで一番後ろのスオウの姿を見る。スオウはいつも通りだ。とんでもなく皆から嫌われちゃってる訳なのに、そんなこと全然気にせずに飄々としてる。それに触れたっていつもの事って言うんだろう。まあ確かにいつもの事なんだけど……だからって平気なのかはわからないよね。スオウだから本当に平気だろうけど……私が支えとかになりたかったのに……でも選挙を考えたら……とか思ってたら、早々に日鞠ちゃんがスオウの票を持って行った。


 それはたった一票だ。けど、私や、それこそ日鞠ちゃんにとってはどんな一票よりも価値がある物だっただろう。そういう所だよ……日鞠ちゃん。日鞠ちゃんはそれこそなんでも持ってるし、手に入れられる才能がある。だから……スオウくらい私に頂戴……

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