表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1436/2707

1436 校内三分の計編 96

 日鞠の奴が教室からでで行くと同時に、摂理の奴がコッチに来ようとしたのが見えた。けど摂理の席は教壇の真ん前で、僕は一番後ろ側だ。距離もある。だからって訳じゃないが、直ぐにチャイムが鳴った。それからも授業中にチラチラと見てくるのには気付いてた。まあけど何か出来る訳もない。女子みたいに小さな手紙を回す……なんてしないし。向こうも別にしない。まあと言うか、摂理は教師に注目されてるからね。そんな暇ない。嫌らしい意味じゃないよ。

 まあ摂理の可愛さや綺麗さは反則チックだから、劣情を抱いている教師がいない……なんて言えないけどね。だって教師も人間だし……可愛い子を見て欲情するのはしょうがない。それを生徒に直接ぶつけなかったら、別にいいんじゃないかな? まあ今の授業の先生は女性なんだけどね。摂理の奴は、そもそも編入だし、色々とハンデもあったから……というのもあるけど、かなり成績的にはぎりぎりだ。ぎりぎりアウト……くらいな? 

 実際生徒会長って成績優秀者がなるイメージがあるからそれだけで、結構摂理は不利というかね。一応上位二十人くらいは好評されるんだよね。日鞠の奴は入学当初からトップだ。一度も2位以下に墜ちたことなんてない。というか日鞠の場合は全国の学力テストでもやばい成績しか出さないからな。こんな別に進学校でもない学校に集まった生徒で太刀打ち出来る筈がない。クリスの奴はめっちゃ遊んでそうな見た目とは裏腹に成績は言い。まあ一応この学校では留学生的な設定だし、頭良くないとそれに選ばれないからある程度の学力を演じてるんだとおもう。実際の所は多分もっと出来るし、十位以内とかにも入りそうだが、そこは自重してるのか、ギリ20位とかでやってるね。まあ前回のテストの結果だけでそれだから、一年の総合とかになったらわからないけどね。

 でもそれだと、勉強のテストが良い奴が偉いみたいになっちゃうから、そうならない為にも伸び率ってやつもこの学校のアプリはだしてくれる。色々と考えられてるよね。それなら、テストの常に上位者って伸び率的には高くないからね。まあこれまでのテスト的に、摂理の奴は伸び率的にもそこまでというか、結構横ばいなんだけど。まあだからこそ、教師に目をつけられてるよね。いつまで経っても、摂理の席が教壇の真ん前から移動しないのは、別に摂理が車椅子ってだけじゃない。

 成績の為でもある。実際、日鞠に見て貰えれば一番だけど、それじゃ教師達も可哀想だしね。全て日鞠で良いじゃんなんてなったら……一時期この学校でもそんな風潮があったけど、そんな事を言われたら教師としてのプライドだってあるんだし、彼等も奮起したのだ。まあ勿論それにも日鞠の奴が関わってけど……教師の授業スケジュールとかって学習の範囲はある程度決められてるけど、どこを重点的にやるかとかは教師の裁量なんだよね。


 それをもっとシンプルに、そして楽しいし授業を実はこの学校は目指してるみたいだ。はっきり言ってこの学校の授業では受験対策的には不十分。でも日鞠的には――


『一番の問題は誰もが持ってる、勉強への苦手意識だよ』


 ――って事だった。そしてその苦手意識さえなくなれば、自然と勉強だって出来る様になる……と言うのが日鞠の持論だ。実際その成果は出てる。摂理の奴はまだその効果ないけどね。僕もまあ勉強への苦手意識はまだあるけど、テストで落第しない程度の勉強はやるからね。ヤバいときには日鞠に泣き尽くし。僕の場合は身近にできすぎる奴がいたのが悪いと思う。こういうのはある程度の距離感を保ってる相手の方が効果が出やすいんじゃないだろうか? 

 だって、僕と日鞠じゃレベルの違いが見せつけられるだけだし……結局の所、摂理の奴は授業おわっても、応援してる奴らに囲まれて、僕の所に来るなんて出来なくて、それは放課後もそうだった。そもそもが、日鞠の奴があんな事をしたせいで、更に摂理を近づけさせないようにしてるような……まあどっちみち家で会うんだけどね。


 お前達の努力なんて空しいんだよって思いながら僕は一人で家路につく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ