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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1433 校内三分の計編 93

「ハアハア……」

「ハアハア……やるではないか。流石は会長が認めた男と言うことか……細く見えても鍛えてるな」

「どうも……」


 荒く息を吐く中……とうとうチャイムの音色が響く。それは昼休みの終わりを告げるチャイムだ。貴重な昼休みがおわってしまった。どうしてくれんの? そもそもお昼食べてないが……というか途中から周りの奴らは弁当広げ始めたからね。二人で柔道やってる間に周りはさっさと弁当食べて、既に片付けてる。


「もう……いいんじゃないですか? 授業に遅れたら、不味いでしょ」

「ふっ、ここまで武道が出来るのなら、認めるしかあるまい」

「はい?」


 なんかようやく離して、すっきりとした顔をする熊先輩。そっちの都合で昼休みつぶれれた上に、体力まで持ってかれたのに、僕にはすっきりする理由がないんだけど……


「お前は真っ直ぐに俺の行動を受け止めた。逃げる事をしなかった。そんな奴が議に反する事をするわけない! わかったな貴様等! こいつに理不尽な事をする事は許さんぞ!!」


 熊先輩は昼休みがおわって弁当しまって帰ろうとしてる部員達や別の空手部員とかにもそう言ってた。なんか認められたらしい。実際、日鞠が僕のLROでの行動を否定しないと、この人達に闇討ちとかされそうだったから、彼が釘を刺してくれるのは助かる。いや、流石に闇討ちまではしないとは思う。この学校で常識を持ってない奴なんてそうそういないし……でも皆日鞠には感謝してるからね。だからこそ、日鞠に敵対する奴には容赦しない気が……クリスや摂理は今、日鞠と対立してるけど、二人はこの学校でもめっちゃ人気だから、僕みたいな事にはならない。そもそも女の子だし。

 まあクリスの場合、タダの女の子でもないが、それを学校で知ってる奴は少数派だからね。


「まあ俺達はお前を認めたが、他の奴らはそうでもない。生きづらくなるぞ」


 熊先輩が何やらそんな事を言ってくる。忠告ですか? ありがたいけど……


「そんなの慣れっこですよ。ずっとそうだったし」


 僕はクラスの皆にも嫌われてたしね。それが学校中になっただけ……って感じだ。とりあえず今は生徒会長選挙中だし、興奮してる奴らもいるだろうけど、僕に構ってる場合ではない奴らは多い筈。その間にこの問題はおわらせたい。


「はっはっは! 会長もきっと何か考えているんだろう。あの人は凄いからな。それに大事な時期だ。俺的にはあの人以外の会長なんてあり得ない。だから邪魔はするなよ」

「邪魔なんてしないですよ。僕に何か出来る事なんてないし……」


 リアルでは出来る事なんかない。特に生徒会長選挙なんて特にだ。僕は嫌われてるんだから、関わらないのが一番の手助け? みたいな。僕はお腹をさすりながら道場を後にする。本当、ただ、腹減って体力減っただけの時間だった。まあ暴力的な人達が真っ先に大人しくなってくれたのはありがたいけどね。視線は相変わらず痛いところがあるけど……とか思ってると、熊先輩が校舎に向かって大声でいいだした。


「こいつへの制裁は俺達がした! これ以上、余計な事はタダのイジメだ!! 会長の学校におかしな汚名をつけたくない奴は、これ以上余計な事はするな!!」


 正に熊先輩らしいめっちゃデカい声だった。それを言ってドスドスと歩いてく熊先輩。それからは、多少は僕への視線が和らいだ。

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