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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1432 校内三分の計編 92

 逃げるのはやめだ。でもだからって勝つ雰囲気ではない。いや……


(岩……いや、流石にラオウさん程じゃないけど、充分鍛えてるな……)


 僕は逃げるのを止めたから彼と取っ組み合った。だって柔道ってそういう物じゃん。てか僕は胴着じゃないんだから制服の中のシャツがヤバい。上着は脱いでるけどさ、この熊先輩の握力でちぎれそう。僕は胴着を掴んでる訳だから、力を入れやすいってのはあるが、いかんせん、がたいが良すぎてびくともしない。そもそも僕ってどっちかっていう、細い方だし。一年くらい前は普通に細いというか、ひょろかった。でも今はどちらかというと、細マッチョにはなったと思う。なかなか体質的に筋肉が付きにくくて、細いままではあるけどね。だから力だって昔よりは上がってるはず。

 でもやっぱりがたいの良さは……ね。でも組み合ってても、僕もなんとか倒されたり、投げられるのを防いでる。上手く流れに逆らったり、逆に流れに身を任せて、熊先輩の狙いを外したりしてるからだ。そう言うやり方も、僕はラオウさんに叩き込まれたからね。あの人の場合、なんでも力で解決な脳筋なイメージがあるかもだけど。実際はとても冷静で冷徹。そして慎重だ。けどやれる時は刹那の如く動く。あの巨体で信じられない速さを誇る。

 まああれを知ってるから、熊先輩の動きにも対応できる。足払いを仕掛けてきたり、握る所を変えては投げをねらって来てる。強引に投げる事くらいは熊先輩の腕力なら出来るだろうけど、その都度、ちょっと負荷が掛かるようにしてると案外諦めてくれる。多分、やっぱり最後の試合とか意識してるんだと思う。プロ……とかに成りたいのかな? その割にはこの学校の柔道部はそこそこだ。でも熊先輩は体格にも恵まれてるし、全国に行ければ充分、プロとかの可能性もあるのかも? 

 柔道はオリンピックとかでは常勝の種目だし、日本の武道という意識も強い。将来性とかは、マイナー競技よりはある気する。まあどうっやてプロとかになるとか全くしらないけど。とりあえず高校生の内にアピールとかはしとかないといけないんじゃないかな? 日鞠の奴も学力だけじゃなく、部活の方でも成果を出したい見たいだけど、流石に部活はそんな簡単にできる物じゃないみたいだ。

 覚えればいい学力とはやっぱり違う……みたいな。日鞠の奴は能力を見分けたりするのはとっても得意だが、だからってそうやって特性にあった人物を部活に入れられるかっていうとそうでもないよね。才能とやりたい事が絶対にかちあってるかは人によってちがうだろうし。まああいつなら、そこら辺どうとでも出来そうだけどね。乗せるのも上手だし。でも流石に今の三年とか、去年の人達の時にはもう既に部活動内の関係は出来上がってたからな。だからこそ下手に介入はできなかった。けど、僕達の代では色々とやってるらしいから、結果が出るとなると来年になるだろう。


 まあこの熊先輩には悪いけど、実力で頑張って貰うしかない。実際、かなり力としてはいい線いってるとは思う。でも見た目同様直上的だ。まあそれでもグワングワンされてると……普通にこっちがミスって投げられる事になりそう。てかそうやって勝ってきたんじゃないだろうか? この有り余るパワーで対戦相手を揺さぶって、体幹が崩れた所で技をかける。それが熊先輩の柔道。まあ僕の場合、いくら、グワングワン揺さぶれても、バランス崩さないだけどね。ラオウさんに鍛えられてるのもあるが、今やLROで縦横無尽に飛べるんだよ? このくらいでどうにかはならないよね。


 でもかなり粘ってて熊先輩からも「やるな……」とかいうお墨付きを貰ったからここらが潮時だろう。僕が大木に揺れる枝木の様に熊先輩の腕力に振り回されて、バランス崩し、そこに熊先輩が体をよせてくる。腕を引っ張られて、背中が僕の体に乗ってくる。


(あっこれは――)


 そんな事をおもった瞬間――


「なに!?」


 なんと僕は熊先輩の体を踏み台にして強引に背負い投げから逃れてた。しまった……なんか無意識的にやってしまったぞ。

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