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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1431 校内三分の計編 91

 一本背負いをされてこれで終わり……とか思ってたら熊先輩がなんか熱くなってこんな事を言ってきた。


「こんな物じゃないだろう! 会長が、認めた男なら……俺を投げ飛ばしてみせろ!!」

「部長! 何言ってるんですか!!」

「そうだ! そんな奴と会長の事を認めるつもりですか!! そんなの! そんなの!!」

「ふざけんな!! 締めて落とせ!」

「「「そうだそうだ!!!」」」

「うるせえ! お前等会長の事信じてねえのかよ!! あの会長が認めてる男だぞ。ただつまんねえ事する奴じゃねえ……と俺は思ってるぞ」


 そう言って熊先輩は僕の事を厳しい目で見下ろしてくる。そして徐に足を上げてきた。きったない足の裏が見える。いや、道場は綺麗にしてあるから別に汚くはないけど、なんかね。美少女の足裏なら、ゴミがついてたった避ける気にならないけど、むさい男の足裏とかイメージで臭そうじゃん。だから普通に横に転んで避けた。


「やはり、ちゃんと受け身を取ってた様だな。お前、武道の心得があるな」


 そう言ってニヤリと凶暴な熊みたいな笑みを浮かべる。なに……僕が受け身取れたのそんなに嬉しいの? 止めてほしい、僕を投げてすっきりして貰えれば良かったんだけど……てか早く弁当食べたい。お腹空いちゃうじゃん。昼からどうすれと……でもこの熊先輩の熱に当てられたのか、所々で「確かにあいつは会長が認めた……」とか聞こえる。僕の事は全く信用なんてして無いはずなのに、会長……まあ日鞠の事だけは百パー以上に信頼と言うものがあるんだろう。

 だからこそ、そんな会長の信じてる奴には何かある……という心理が働いてる。いや、そんな心理いらないから。


「さあ立て、本気でやり合おうじゃないか」


 でも、既に熊先輩は僕を逃がす気はないようだ。でもだからってやり合うって……殴っていいわけじゃないよね? リアルでは後ろに回って首筋トンってやっても意識は刈り取れないんだよ? それに僕はラオウさんから習ってるのはこう……容赦ない感じの奴だ。あの人、人の体を壊すプロフェッショナルだからね。LROでなら、別に気にする必要も無いが、彼等は部活でやってる訳で……そろそろ最後の大会とかが控えてるよね?


 そんな高校最後の花の場が控えてる人の体を壊す? 無理でしょ。そうなると、やれる事が無いというか……けどだからって、適当に投げられたら、怒りそうなんだよね熊先輩。いや、向こうの勝手で連れられてきて、更に勝手に本気でやり合おうとか意味わかんないし、こっちとしては迷惑しかないんだけど……ここは敵地だからね。彼等を満足させないと、五体満足で帰られないのだ。リアルでは無双なんて出来ない。


「しょうがない……ですね」


 僕は立ち上がりながら、そんな風にいった。

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