表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1430/2701

1430 校内三分の計編 90

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 そう言って熊みたいな先輩が腕を伸ばしてくる。僕はそれを危なげなく避ける。避ける避ける。取っ組もうとしてくるんだから避けるのなんて簡単だ。


「おい! 逃げるな!!」

「んな無茶な事言わないでくださいよ先輩。痛い目に遭うのに避けない訳ないじゃないですか?」


 僕がそう言うと、勢いだけで向かってきてた熊先輩はジリジリとすり足して向かってくるようになった。勢いだけでは避けられると学習したようだ。まあだからってこっちがすり足する必要ないんだけど……それに別に逃げる範囲が決まってる訳でもない。なんだけど……


「これ以上こっちにはくんじゃねえよ!」


 そう言って僕達の試合というか、リンチしようとしてる場を囲んでる奴らがその範囲を狭めてくる。しかもドンっと背中押してくるし……人の壁で物理的に狭くされたらかなわないね。こいつら的にはさっさと僕が一本される所を見たいんだろう。それならそれで、まあやられても良いんだけどね。なにせ僕だってそれなりに鍛えてる。制服着てる限り、全然見えないだろうけど、最近はちょっと筋肉だってね。なにせラオウさんの組み手は実践形式だ。何回殺されるかと思ったか……しかもあの人、この目でも見えないからね。あれだけデカい体してるのに、ある瞬間から消える様にあの人いなくなるからね。

 そしていつの間にか体に衝撃が走る。あれを知ってると、余裕が出せるっていうかね。例え投げられたとしても、完璧な受け身を取れる自信はある。だからこの人達が納得出来る様にどう負けようかって頭を悩ませてるんだ。


 今は僕が逃げて避けまくるから熊先輩はかなり激高してる。そして周囲の奴らはそんな僕をボッコボコにしてやれーって盛り上がってる。この熱を一瞬で冷ます位の奴を放って貰いたい。でも絞め技とかは勘弁して貰いたい。あれはダメ。だって本当に落ちる奴だしね。投げ技でお願いしたいよね。こっちは胴着でもないから、下手に投げ技したら、すっぽ抜けて危険な感じに投げられるってのが理想だが。そうなったら自分でどう演出も出来る。


 でもこの熊先輩、握力強そうだからな……やっぱり普通に投げられるしかないかな? 逃げる所逃げる所で押されるから、ととって感じでバランスを崩した所で、投げやりな感じて、僕は腕を伸ばす。そうしたらあら不思議、上手く伸ばした腕を取ってくれた。そして腕を引いて、背中をこっちに見せる。これはもう一本背負いの態勢でしょ。にんまり……と心の中で出しつつ、それをおくびにも顔に出さないように努力する。

 大きな背中で僕の体が持ち上げられて、足が宙にうく。そうなるともう踏ん張るなんて出来ない。


「「「いけー!」」」

「「「やっちまえーーー!!」」」


 そんな声に後押しされながら、熊先輩は僕をなげる。次の瞬間バチーンと背中に衝撃が走る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ