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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1426 校内三分の計編 86

 月明かりが日鞠を照らす。照らしきれないけど照らしてる。日鞠は皆を照らしてような奴だから。夜はそんなには日鞠は似合わないって思ってる。けど、普段は見れない一面と言う面では夜もいい。パジャマは見れる機会少ないしね。


 そもそも日鞠は普通の人よりも早く起きて遅く寝る……みたいなのが毎日だし。


 ヴーヴー


 ポッケの中のスマホが震えた。僕はスマホを取り出す。うん……目の前の日鞠からだね。まあ外で声を出し合って喋るのもね。今は便利な文明の利器があるわけだし、これを使おうって訳だろう。今日はそれなりに風もあるしね。あんまり大きな声では近所迷惑もって事もあるだろうし。


 なので僕はスマホに応答して耳に当てる。


「もしもし」

「もしもし、スオウ。例の件?」


 話が早い奴である。ありがたいけどね。けどちょっとムードがなくない。せっかく月明かりの下、男女が向かい合ってるんだよ? まあ手が届く位置でもないし、ムードもこれ以上盛り上がり様はないんだけど……でもなんか事務的というか、それにちょっとテンションが下がるよね。


「もう知ってるんだな?」

「その話しでしょ? わかるよ。スオウの事だもん」


 そんな言葉だけで、なんかちょっと顔が赤くなってくる気がする。いや、前はめっちゃ構ってくるのがちょっと鬱陶しい……嬉しいけど、鬱陶しいところが会った訳だけと、距離が空くと、不安になるんだから人間はなんて傲慢なんだろうって思う。

 わかってたんだけど、ちゃんと言葉にしてくれると、来るものがある。まさか計算か? 日鞠ならあり得そうなのが怖い。けど僕と日鞠じゃ地力の差がありすぎるからね。どうしようもない。


「スオウはどうしたい?」

「どうって、このままじゃ僕はLROで犯罪者だよ。生きづらくなる。そのくらい、テア・レス・テレスなら出来るだろ?」

「まあ影響力はあるよね。それに一応独立国家みたいに認められてるし、犯罪者のカテゴリーに入れれば、他の国でも制限が出るよ」

「そんな事までできるのか……」


 恐ろしい。テア・レス・テレス恐ろしい。大きさとはやっぱり武器だね。行き成り現れ感じだけど、LROの元からあった国々はテア・レス・テレスを無視できないって事なんだろう。


「ん?」


 そこで僕は疑問に感じた。そもそもがこの「どうしたい?」っておかしくない? 僕はそこを問題にしてないとおもう。だってどうしたい?――って解決するかしないかの二択だよね? でもこれで解決しないを選ぶなんて事無いじゃん。

 そこで僕は僕と同じように耳にスマホを当ててる日鞠を真っ直ぐに見る。日鞠も僕を真っ直ぐにみてる。


「お前……何をたくらんでる?」

「何も。私はスオウの全部を尊重してるよ。だからスオウがやりたい様にやるだけ」


 そういってニコッと日鞠は微笑んだ。

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