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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1423 校内三分の計編 83

「待ってください! そもそも僕達にはそんな事をする理由がない!」


 僕は必死にそう言うよ。てか言葉を止めると、一気に攻撃飛んで来そうだしね。まあ実際やられたとしても、その後復活するだけだ。本当死ぬわけではない。でも……もしかしたらこれからずっとテア・レス・テレスに狙われるとかなったら、大変厄介だろう。

 周囲をテア・レス・テレスのメンバーに取り囲まれ、更に野次馬的にプレイヤーが集まってる。めっちゃヤバい。きっと今でも色んな掲示板に僕達とテア・レス・テレスのもめ事が面白おかしく拡散されてるはずだ。それが事実と言うように、アギトやセツリとか、知り合いからメッセージが届いてる。確認なんて出来ないけどね。


「理由はあるさ。我らをやっかんでる奴らは多い。それに、貴様等のリーダーは野心家だろう。なら我らは最大の障壁だ」


 確かにローレの奴はトップに居ないと気が済まなそうな奴だけど……本当にトップを狙ってるのかは正直わからない。そんな事を聞いたことはないからだ。トップを狙ってるのなら、あんまり人員も勧誘してないし。万を超える人数がいたりするトップチームと比べたら、ローレの所なんて数だけ見たら貧弱その者。それでも野心家なんて言えるか?


「最近、貴様等は怪しい動きをしてると報告が上がってる」


 むむ……こいつら僕の事監視してるのか? はっきり言って、こいつらと幾ら話し合っても……意味ない様な……


「会長を呼んで欲しい。会長ならわかってくれる」

「それは出来ないな。まあ物理的に、会長は今ここにいないからだ」


 むむ……嫌がらせかと思ったら、本当にいないらしい。まあフレンドリストみてもログアウトだから本当だろう。なら生徒会誰か……理想なら雨ノ森先輩だけど……よく考えたら、生徒会メンバーのこっちでの名前知らなかった。流石に雨ノ森先輩っていえないしな……おい、早くも詰んだぞ。やっぱり周囲のこいつらを説得するしかない? 


 いや、ここはもう逃げ出して、ログアウトしてから日鞠に事情を説明して色々とテア・レス・テレスの面々を説得して貰う方が良いんじゃないか? テア・レス・テレスの奴らも末端は知らないけど、それなりに中心に近い奴らは日鞠を信奉してる筈だ。

 日鞠の、いや会長の言葉なら素直に聞くはず。まあちょっとの間の悪評なんて今更だし……僕はメリッサの奴に耳打ちする。


「ここはしょうが無いから彼等の気持ちを落ち着ける為にも一回やられておこう。リアルの方で会長に掛け合って、誤解は解いて貰う」

「確かにそれが一番かもね」

「だろ」


 ここで幾らこいつらに言葉を尽くしても、多分ダメだ。そもそもこの目の前の奴があの紫髪の女性とグルだと絶対に誤解解けないし……まあ彼女の目的が僕達にヴァレル・ワンを盗ませる事だとしたら、その仲間もさっさとテア・レス・テレスを去ってそうではある。

 なにせLROでは殺すって事に意味は無いし。結局はプレイヤーの口を封じておくなんて事は出来ない。僕と会長が親しいことはテア・レス・テレスの奴らならしってるし……どの道、会長に話しは行くんだ。それをリアルで止める術なんてない。


 まなけど、会長が止めるにも、一回は皆さんの疑念をすっきり……いや疑念はすっきりはできないが、せめて気持ちだけでも……ね。すっきりさせとかないと、会長の言葉も素直に受け入れられないかもしれない。ここで抵抗なんてしたら、僕達はますます怪しくなるわけだしね。


「わかった。僕達を攻撃すればいい。抵抗なんてしない!」

「ほう、良い心がけだな」


 僕はそんな事を周囲に喧伝するようにいう。わざわざ大きな声でそんなことを言うには理由がある。ちゃんと自分たちが無実だと周囲に主張するためだ。確かに今は誰にも届かないだろう。でも……これで終わるわけじゃないから、ちゃんと否定しておくことが大事。

 更には周囲の人達を僕は見てた。僕の目なら捉えられる物もある。


(居た)


 人混みの中に彼女を見つけた。フラワーキャッスルで僕達にヴァレル・ワンを貸した彼女だ。ここで僕が彼女を指さすのは簡単だろう。でも……それはしない。どうせ誰も信じないしね。日鞠に言って、あいつのちゃんと信頼してる奴らに操作して貰った方が良い。


 ここはただ真摯に言葉を尽くすだけ。


「だが、もう一度はっきりと言っておく。僕達はヴァレル・ワンを盗んだ訳じゃない!」

「戯れ言を……」


 その言葉を最古に僕もメリッサも目をつむり。それこそ処刑人の様にただその時を待つ。武器なんて抜かない。メリッサなんて持ってた武器そこらに投げたし。それで僕達が何もする気は無いとわかっただろう。その後は僕達を炎が包んだ。真っ赤な炎。まるで魔女を火あぶるように、僕達はその炎に焼かれてこの場から消えた。

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