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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1407 校内三分の計編 67

「スオウ君、あの人は向こうで楽しくやってますか?」


 夕食も終わり、リビングで寛いでるとおばあさんがそう言ってきた。あの人……おばあさんがそう呼ぶのはおばあさんの旦那の爺さんの事だ。あの偏屈な爺さんも最近退院した筈だが、それでもよくLROによく居る。完全にはまってると言っていい。

 まあ既に老後に入ってる二人だ。時間はたっぷりあるんだろう。おばあさんが言うには、仕事がなくなって、発散する場が無くなってたから、丁度良いって事だった。だから今はもしかしたら偏屈な爺さんではなくなってるのかもしれない。

 まあ向こうでは若々しい姿で冒険してるから、確かに偏屈ではない。ただ面倒くさいだけだ。一心の奴、勝手に僕を巻き込むんだもん。まあ最近はエリアバトルは落ち着いているけどね。てか多分チーム……程ではないけど、僕以外にも親しい奴らが出来てるみたい。


 そうなると、僕なんて用無しなんだろう。ありがたい。まあけど、僕はおばあさんに頼まれてるから、時々一心に会ってはいる。そうだね……


「楽しくやってますよ。最近は僕に無茶言わなくなったし。きっと友人でも出来たんじゃないですか?」

「それは良かった。リアルではどうなんですか?」


 僕はテレビは見てないけどおばあさんが流し見してるテレビから音が出てるけど、別に煩わしいって大きさでもない。おばあさんはどうなんだろうとか思うけど、おばあさんは補聴器してるから案外よく聞こえてるみたい。最近の補聴器は凄くて、性能もそうだけど、見た目もはっきり言って全然気付かない感じになってる。まあそもそも女性なら耳を出すって事があんまり無いしね。


 目の前でテレビが付いてるけど、それを見てるのはおばあさんだけだ。摂理はお風呂に行ってる。足か動かないのにお風呂に一人で入れるのか……危なくないのかとか有るかもだけど、今は色々とそういう用品がある。浴槽には手すりも付いてるしね。流石にお風呂を全部改修なんて出来なかったから、手すりとかあると便利で安全性の高い改修を色々としてる。


 勿論夜々さんのお金で。まあ厳密には摂理自身のお金なんだろうけどね。だから安全性はかなり高い。それでも最初はおばあさんが手伝ってたけど、今は一人で全部出来る様になった見たいだ。だから今は本当にただ一息ついてる時間。

 クリスが迎えに来るのを待ってるんだよね。そんなに遅い時間ではないけど、なんか毎回クリスは迎えにくる。おばあさんも最初はそこまでしなくて良いって言ってたけど、なんやかんや嬉しいのか、今はもう何もいわない。


「とても元気ですよ。喋る事といったら向こうでの事ばかり」

「はは、わかります」


 誰だって凄い体験をしたら喋りたくなる。そして夫婦とも成れば、一番それを話しやすい相手……なのかも? まあけど、あの爺さんの狙いはそれだけじゃないと思うけど。


「誘ってくるんじゃないんですか?」

「ふふ、そうね。でも待ってろともいうわよ?」


 そうなの? あいつ案外なんか凝り性だしね。最高の状態でおばあさんをLROに招待したいのかも? 最初から爺さんの目的はそれだったけど、最初はおばあさんは乗り気じゃなかった。「なんだかよくわからなくて怖い」的な感じの拒否反応。

 多分それって珍しくないと思う。フルダイブとかよくわからない技術だしね。僕だって技術的な事はちんぷんかんぷんだ。けど飛び込めたのはワクワクしたから。でもおばあさんとか、歳を重ねた人ほど足が重くなるのはしょうがない。


 でもそれを取り去る為に、爺さんは色々と話してるんだ。そしてそれは効果はあったみたいだ。でもあの人、ハマりすぎて色々とこだわってるみたいだ。おばあさんは多分既にLROに対する恐怖感とかはなくなってる。なら今じゃん! 本当に何やってるのか。ちょっとメッセージでも送って何をやってるのか確認してみようかな? 

 とりあえず今は――


「はは、でもその内いくですよね?」

「そうね、あの人があんなに言うなら、私もちょっと興味出てきてるから」


 ――やっぱ今じゃん! とか思うけど、夫婦の問題だし、僕が急かすことでもないだろう。そんな話しをしてると、チャイムがなった。多分クリスだ。

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