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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1403 校内三分の計編 63

「ただいまー」


 そんな事を言って家に入るのにも慣れてきた今日この頃、居間にはタブレットを操作してる摂理とお手伝いにきてるおばあさんがいた。いつもは家に帰ってきたら、直ぐに部屋に閉じこもってゲームを始める摂理が居間でタブレットを操作してるなんて珍しい。摂理は自分用の白いソファに座ってる。丁度車椅子の高さと同じくらいの高さのソファで比較的簡単に摂理でも移動できる奴を吟味して買ってきた。

 まあだからこそ、ちょっと部屋の雰囲気的に浮いては居る。でもだからこそそこが摂理の特等席だって一目でわかるし、存在感もある。まああんまり使われてないけど。足が動かない摂理は、フローリングとかよりも、畳の方がお気に入りだ。だからこそ部屋にこもってるんだろうし。ズリズリとするのなら、移動だって出来るみたい。だから畳が良いんだろう。


「おかえりスオウ、遅かったね」

「お帰りなさい。もうすぐ夕食ですよ」


 僕の家には長らく僕か、日鞠しかいなかった訳だけど、今はそれなりに人がいる。こうやって声掛けられて夕食の匂いがする……のも毎日ではなかったからある程度は新鮮だ。慣れたけど。とりあえずさっさと荷物を置いて、着替えなくちゃだけど……あんまりいない摂理が居間に居るのは気になる。


「何してるんだ?」

「読書だよ」


 読書なんだ……と思った。タブレットのゲームかと思ったよ。だいたい摂理はゲームしてるからね。そうなると何の本を読んでるのか気になる。特に読書って言うところが気になるよね。だってマンガとかならマンガって言わない? それなのに読書って……自分をたまに使うよ。マンガ以外の本は読書なのだ。


「ふーん、なんの本な訳?」


 僕はとりあえず気にしてないけど、一応確認だけでも――っていう体でそんな風に聞いて見る。すると摂理はタブレットを胸に抱いてこういった。


「秘密」


 むむむ、そういう風に言われてと気になる。気になるが……ここで無駄にあがいても意味は無い。というか、はっきり言ってそこまで興味がある……とか思われたくない。興味はあるけど、ガツガツはしたくないんだよね。だから僕は――


「ふーん、わかった」


 ――そう言って居間の扉を閉めて階段を上がる。そして部屋に入って制服を脱ぐ。


「うーん、もっと歩み寄った方が良いのかな?」


 そんな呟きが出る。摂理とは同じ家に住んでるが、やっぱりどこか……というかまあ家族って訳にはいかないし、しょうが無い距離感なんだろうけど……よくよく考えたら僕には摂理とどうなりたいとか……いうのがないから曖昧なのかも知れ無い。


 彼女をこの家に招いたのは責任……とか出しね。でも責任が前に出ると、堅くなる。守る対象……とかなると、違う距離感みたいな? 摂理は今、自分で歩き出そうとしてる。生徒会長選挙とかに立候補するなんておもって無かった。

 でもその行為はきっと、進み出そうとしてるって事じゃないだろうか? ならそれは僕達の関係の変化でもあるような……そんな気がする。

タイトル間違ってました。

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