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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1402 校内三分の計編 62

 男子が恥をさらして、女子がそれを非難する。よくある光景。ズボンでテントを張ったそれは生物学的な現象としては知ってるけど、ここまでまじまじと見たことなかった。


「ダメダメ、摂理ちゃんは見ちゃダメです。穢れちゃう」


 穢れちゃうって……流石に触ってもないのにそれはないのでは? まあまじまじと見てたいものでもないし、そんな事をしちゃうと彼等に変な性癖が着いちゃうかもしれないからやらないけどね。てか流石に触るとかは無理。幾ら服越しだって言っても……体で一番敏感でデリケートな部分だもんね。パンツの上から触らせて良いのかって言ったらダメだし。


 でも何か反応は示さないといけない。彼等は恥を忍んで、そして他の女子達からの軽蔑の視線を甘んじて受けてるんだからね。


(ワガママ……か)


 昨日のクリスの言葉……でもここでワガママってなに? もっと見てみたいとか? いや、自分で嫌だし……それはないね。でも結局ワガママと言っても、私はただのワガママ女を演じればいいって訳じゃない。私が演じるのはワガママだけど、愛される感じの女なのだ。

 それをやる事で、私の言葉に耳を傾けつつ、一致団結出来るそんな集団が、信者が作れる……みたいな? 今の私は彼等におんぶに抱っこだから。日鞠やクリスの様には出来てない。勿論同じように出来るなんておもって無い。だって頭の出来が違う。けど二人とも自分の脚で進んでるのに私だけそうじゃない。ハンデがあるから? 周りにいっぱい人が居ればいい? それでもいいけど、でも私は最低限の役目も出来てない思う。私は神輿だ。だからこそ、皆を魅了してないといけない。そして目指す道を曖昧にでも示す。


 そうしたら、優秀な皆がなんかやってくれる。でも皆私が大事なあまり、神輿としても出し惜しむんだもん。選挙活動だって、私はいいから――とか言われる。でもそれは私の最低限の役目さえも奪う事だ。立候補する事は私が選んだ事で……それはつまり選挙活動をやるって事。


 私はそれをちゃんとわかってる。下半身にテント張らせて何を考えてるんだって感じだけど……ここから私達の関係性一歩進む……


「よかった……」


 私はボソッとそういった。でもそれは多分私の周りの女子生徒にしか聞こえなかっただろう。男子達はテントを張ったまま、私か何を言ったのか教えて欲しそうな顔してる。


「摂理ちゃん?」

「良かったです。皆さんは私を魅力的だと思ってくれてる……」

「「「も、勿論です!!」」」

「男子だけ?」

「「「私達も、摂理ちゃんは羨ましいよ!!!」」」


 私は男子と女子にそれぞれ心地よい言葉言って貰った。そして私達は女子の壁を抜けてそして男子と女子の間に移動した。


「そんな魅力的な私なら、生徒会長に相応しい……かな?」

「「「勿論です!!」」」

「「「大丈夫!」」」

「クリスに勝てる?」

「「「勿論です!!!」」」

「「「イケるイケる!」」」

「日鞠ちゃんにも勝てるよね?」

「「「もっちろんです!!!」」」

「「「うんうんうん!!」」」


 段々と男女で熱量に違いが出てるけど、それは気にしない。私は元から男子の方が受けがいいし。女子はいてくれるだけでありがたい。私は今、立場を明確にしてる。この場の頂点は誰か……それは私だよって宣言だ。


「皆も、私の魅力を伝える協力をもっとしてもらうよ」


 これまでは「もっとしてほしい」とか言ってた。けどそれは受けであり、渡す感じだった。それで動いてくれるし、楽ではある。でもどんどん離れていくし、自分が思ってる事とは違う様になっていく事だってある。私は何も、皆に私ならクリスや日鞠ちゃん見たいに上手くやれる……なんて宣伝して欲しくない。そんなのはプレッシャー以外の何物でも無い。

 だから私は決めたよ。私は今日は自分の容姿に確信を持てた。私はこの容姿だけで戦うよ。ポスターに書いた公約? あんなのは飾りです。

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