1401 校内三分の計編 61
ふむ……私は多目的教室で思案する。今日で私は色々と実験をしてた。今までの私は私が何かするのは迷惑で、私はただ、支えられる側の人間なんだと思ってた。なにせ私はこんなだし……教室に行くのだって、一人では出来ない。
スポーツはご覧の通り出来ないし、頭だって私は良くないよ。私にあるのはこの容姿だけだけど、実際この容姿がどれだけ使えるのか……なんてのはそこまでわかってなかった。だって私は極端に人と関わってこなかったしね。幾ら顔が良い――とはわかってても、それがどういう風に使えるのか……なんてのはよくわからない。それが本音。普通に自分が好きな人に対して有利なら……とか位。
でもどうやら、それだけじゃないみたいだ。まあマンガとか読んでると、美少女ってすごいもんね。マンガとかなら誰もが美少女なんだけどね。でもどうやら私は、そういう美少女だらけのマンガ内でもちゃんと設定として『美少女』を冠してるクラスだと思う。こう……一目で異性を恋に落とせる……みたいな? 私は胸を張って尻尾を振ってる――様に見える男子の一人と意図的に視線を合わせる。
そしてふっと私は笑顔を見せた。
(あっ、固まった)
めっちゃかっちこっちだよ。石化したのかな? 私の目は魔眼なの? って位。てか私的には一人だけと視線を交わらせた気だったんだけど、私の意図した男子以外もなんか固まってる。どうやら私の魅力は範囲型だったらしい。いやまあ私の今の笑顔は皆も見てたもんね。私的には一人にした向けて無くても、皆にも見えてるのは当然だ。
「あ、あありがとうございます!!」
「「「ありがとうございます!!!」」」
「え?」
なんだろう、なんか行き成り男子達がそんな事を言って頭を下げてきた。ヤバいね。男ってわかんない。私で興奮……してるのはわかるけど。実は頭を下げて腰を引いてるのは……そう言う事……なのかな? だって皆、一向に頭を上げないし。
「どういう事? どうしてお礼言われたのかな?」
私は確かめる為にもそういった。私は、自分って奴を正しく把握したいのだ。多分クリスも日鞠ちゃんもそこら辺ちゃんとわかってる。でもそれが出来てないのもまた、私だけだと思うんだよね。
「それは、姫が微笑みをくれたからです。その天使の様な微笑みにお礼を言わずとなんとしましょう!」
そんな風に言う男子代表君。それに皆必死に首を縦に振ってる。って皆だからってずっと頭下げてるのは異様だよ?
「別にいいよ。減る物じゃないし。頭あげれば?」
「いえ……それは……」
なんか誰一人として頭を上げたくないようだ。でも私には男子に言う事を聞かせる術がある。
「私……皆にそんな頭を下げられる立場じゃないよ。皆には感謝してるし、だから……ね。頭あげよ」
ふふ、こう言われたら流石に頑なでは居られないよね? だって私のお願い……なのだ。すると男子代表君が――
「お見苦しいかもですか、姫を悲しませる事は出来ません」
――とか言って頭を上げた。それに続いてみんな頭を上げる訳だけど……うん、皆下半身にテント張ってるね。それう見てこっち側にいた女子が「うわー」「そう言う目で見てるんだ」「男子サイテー」とか小声で言ってる。
でもこれほどわかりやすい反応もないよね。うん、皆私に対してこうなっちゃった訳で……さてここはどういう反応を取るのがいいのかな?