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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1396 校内三分の計編 56

「うわっ、えっと、こうか!?」


 歩みよりも遅いヴァレル・ワンのスピードを改善するために僕は更にギアを上げる事を試みる。


 アクセル踏んで、ギアをガチャガチャしながらクラッチを踏み込む。何せよく分かってないから適当にやってれば成るだろうと思ってた。そしたら――


ガゴン!! ――ブシュシュシュゥゥ


 ――ってな音がしてなんか止まった。アクセル踏んでもなんかスカスカしてる。やばい汗が止まらない。さっきまではまだ動いてたから、「大丈夫大丈夫」と思ってた。でも今やウンともスンとも言わないけど?

 

 常にちょっと浮いてたはずのヴァレル・ワンが地面に着いてるからね。完全にエンジンが停止してる。因みにエンジンをかけようとしてみても何も起きない。


(あれ? これヤバイ? ヤバイヤバイ?)


 なんか頭がおかしくなってる、だから意味ない事で誤魔化そうとかしちゃう。


(大丈夫、僕なら風を使えば動かすこと自体は簡単だ)


 うんうんこの程度の物体を動かす事なんて造作もない。とりあえずもう一度浮かして……


「おいおいちょっと待て。エンストしてるだろ?」

「エン……スト? ああ、これがそういう現象なんだ……」


 字面は知ってるが、実際体験したことなかったけど……これがそうなんだ。なるほど……壊れたわけじゃない……よね? 


「壊れてはない……ですよね?」

「そこは大丈夫だ。まずは一度深呼吸だ」


 ヤバい、元々イケメンなのに、更に一歩上のイケメンに彼が見えてきた。今一番、テア・レス・テレスで好感度高いぞ。異変を感じてわざわざ追いかけてきてくれて、優しく頼りがいあるところを魅せてくれる。僕が女だったら落ちてるかもしれない。

 まあ僕は男だから「かっけー」とか思うだけだけどね。なるほど、昔は車に乗る男はモテたというが、それは車を乗りこなす男が格好良く見える……ということなんだろう。事実、テキパキと点検して指示してくれる彼は格好良い。


 そうしてもう一回、今度はちゃんとしっかりと、そして落ち着いて一から順にやってみる。するとさっきよりもスムーズに進み出し、足の裏に伝わるアクセルとクラッチの力の関係に神経を集中しつつ、「ここだ!」と言うタイミングで ギアを切り替える。するとヴァレル・ワンはさっきの気の抜けた音なんて気のせいとばかりにスピードを上げていく。勿論彼が最初に見せた程の加速はない。それにはっきり言えば、僕が自分で移動したってLROならこの程度のスピードを出せる。

 でもなんだろう……


(気持ちいい?)


 ただ風を切る感覚だけじゃない。ガチャガチャとやる事で操作感があって、そしてハンドルを握ることでも一種の高揚感みたいなのが産まれてるのかもしれない。スムーズにギアが切り替わる感触は単純に気持ちいい。自分の体なら操ってるなんて思わないが、自分の延長線上の何かを支配してる感覚――とでもいうのか、それがなんだか新鮮で、僕は夢中で辺りをかっ飛ばした。

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