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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1393/2706

1393 校内三分の計編 53

 ヴァレル・ワンはもの凄い速さを誇ってるみたいだ。それに案外音も静かだ。この魔物溢れる世界では音を立てないのは案外重要だ。なにせ派手な音を立ててると、そこら中の魔物が集まってくる。まあヴァレル・ワンの速さがあれば、逃げるのなんて簡単だろうけど、この世界にはちゃんと生きてる人達がいる。自分たちを狙って出てきたモンスターと他の誰かが鉢会って悲惨な結末を迎える……なんて事に成りかねない。


 それがまだプレイヤーならいいよ。でもNPCだと死んでしまうと復活とかしないようだしね。スカルドラゴンの時のは例外なのだ。基本NPCは命を一つしか持ってない。だからこそこのゲームの中でも必死に生きてる。彼等はここがゲームだとはおもって無いけど……


(とりあえず今はあのヴァレル・ワンだな)


 ヴァレル・ワンは直ぐに見えなくなったかと思うと、もの凄く高く飛んで戻ってきた。あんなにも高く飛べるんだ……とか思ったけど、高い場所にいたのはそれこそ一瞬で、直ぐに落ちてくる。本当に飛べるのなら、落ちるなんて事はしないはず……今のはどこかで機体をジャンプさせただけみたい。こっちに突っ込んで来るヴァレル・ワン。皆がザワザワとし始める中、テア・レス・テレスの人達は落ち着いてる。多分だけど、演出だろう。だから僕も身構えずに見てる。


 するとヴァレル・ワンは僕達の頭上をぎりぎりで通り過ぎて花のアーチを進んだ。更に急旋回して、そしてもう一度こっちに来る。流石に最初のスピードは出てない。でもこのままでは僕達にぶつかるだろう。どうするんだ? しかもそれは数秒後の未来だ。とか思ってると、ヴァレル・ワンは花のアーチを駆け上り、今度は底ではなく、逆さまに成って僕達の上を通り過ぎていった。その際に運転手がなんか指で挨拶してたが、それを見れたのは多分僕くらいだと思う。

 逆さまになったはずのヴァレル・ワンだけど、地面に降りる頃にはちゃんと態勢を元に戻してた。更にその旋回性能を見せるよにうねうねと走ったり、ちょっと高さを加えて回転したりしてた。いや、その動きは意味あるか? もしかしてヴァレル・ワンで突っ込めば手軽にモンスターを倒せるとか?


 そうして一通り走った後にヴァレル・ワンが機体を横にしつつ止まってきた。どうやらドリフトの様な事も出来るみたい。


「さて、これでヴァレル・ワンの素晴らしさがわかったかな?」


 そう言って運転してたイケメンがかっこよくヴァレル・ワンから降りて来た。確かにヴァレル・ワンの素晴らしい運動性能はわかった。こいつの様に操作できるのは謎だけど……けどそもそもさ……


「あの一つ良いですか? ヴァレル・ワンだっけ? それって誰もが使える様になるんですか?」


 プレイヤーの一人がそんな質問をする。まあ気になるのはそこだよね。だってこう言うのって大概お高いでしょう。実は飛空挺とか買えるけど……個人で持ってる奴なんてきっといない。その位途方もない額が必要だ。流石にこれはそこまでではないと思うけど……でもきっとお高いことに変わりは無いだろう。

 するとそこでさっきのモブリが出てきた。


「ふっふっふ、問題はありません! 我等、テア・レス・テレスはこのヴァレル・ワンの普及を推し進めていく所存でございます。ヴァレル・ワンは完成品と部品販売を致します。組み立ても意外と簡単! それにこれからレスティアでは様々なイベントを行います。それの報酬はこのヴァレル・ワンの本体であり、部品。更にはレスティアで受けられるクエストにも難易度によってヴァレル・ワンの部品を報酬としてつけるように成ります。

 なのでこのレスティアで頑張ってクエストをこなして貰えれば、誰もがヴァレル・ワンを持てる様になるのです!!」


 なんとまあ、大胆な物をするものだ……と僕は思った。


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