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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1391 校内三分の計編 51

 レスティアに戻ってくると何やら街に入る手前でプレイヤー達がごった返してた。一体何があったのか……とりあえずちょっと離れて僕はしっかりと見る。それだけでよく見える様になるのだから自分の目はおかしいと思う。人混みの中でピョンピョンする必要が無いのはありがたいけどね。


 どうやらテア・レス・テレスがレスティアの中に入るのを規制してる? なんで? まあレスティアは彼等の作った街だし、そのくらいの権利はあるだろうけど……これまで一度もそう言う事はして無かった筈。来る者も出て行く者も拒まずなスタイルだったはずだ。


 それなのにああやってプレイヤー達を止めてるのは、きっと何か理由があるんだろう。会長の奴だって知らない筈がないし……とか思ってると、何やら街のほうから出てきた。それは細長い、一見すると、ボート? というかカヤック? だっけ? そんな感じの、まあもっと金属質に見えるけど。そんな物が、なんかフヨフヨと浮いて運ばれてきた。周りには何人ものテア・レス・テレスの人達。けど皆白衣を着てる。白衣を着てたら研究者とか思ってる奴らかな? 


 レスティアに入れなくて抗議してたプレイヤー達もなんだなんだと出てきたそれに興味が持って行かれる。そうしてプレイヤー達をかき分けてから進んでとりあえずそのプレイヤー達の中から出たところでそれは止まった。そしてぴょんと、誰かがその期待の上にのる。モブリだ。しかも厚い瓶底眼鏡に、学士帽みたいなのを被って口元には立派な髭を蓄えてるモブリ。勿論白衣を着てる。


「やあやあ皆々様、お集まり頂き誠に光栄、恐悦至極に存じます」


 なにやらやたら芝居がかった口調でそのモブリはそんな事を言いだした。一体何が始まるんだ? 僕も周囲と変わらずに彼に注目してる。


「皆様は幸運だ。なにせこの世界で初めてこの『ヴァレル・ワン』の起動を目の当たりに出来るですから」


 ヴァレル・ワン? あの機体の名前だろうか? 金属質な機体にはスポーツカー見たいなペイントがされてて、前の方に大きく01と描かれてる。


「皆様はこの広大な土地での移動に不便したことはないですか? 我らのこのエリア自体もそうですが、LRO自体もそれはそれは徒歩で走破できるような代物ではない」


 まあ確かに。テア・レス・テレスのエリアだけでも関東と同程度の広さがあるんじゃないっけ? LRO自体の広さって事なら、もうわかんない。それくらいには広い。


「ですがこの世界、個人で所有できる乗り物と言えば馬とか現地の生き物とかしかない。個人で移動系の物を持ってるプレイヤーもいるでしょうが、それは少数だ。不自然な位にこの広大な世界を走破するための手段が乏しい」


 それもわかる。飛空挺とかはあるが、アレって国家間やでっかい都市間でしか運行してない。一応僕達プレイヤーはそれこそゲートを使えてポータルへと飛んだりは出来る。でもその後は基本徒歩だ。この世界は現代の様に都市の間を街で繋げて常に居住地が続いてる……なんて事はない。未開の大地が大半だ。


 そしてモンスターも沢山。戦闘をしながら進むことになるから、移動は大変。それをアレはどうにかするためのもの?


「ですがこのヴァレル・ワンが皆様の不満を解消する一歩になるのです! これは個人で持てる小さな飛空艇。いえ、車と思ってもらえれば、結構ですよ。さて、実際どういう風に動くのか、皆様も期待しておられるでしょうから、まずは動く様をお見せしましょう!」


 なにやらテレビの実演販売みたいになってるが、皆の興味はヴァレル・ワンへと向いている。僕もけっこうワクワクしてた。

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