1389 校内三分の計編 49
それは帰り道に起きた。結局あの岩礁地帯では何かが起きることはなくて、普通に狩りは終えた。三人ともスキルを我が物としてほくほくしてた訳だ。後はレスティアへと戻るだけ。談笑しながら道中歩いてると、行き成りそれはきた。光だ。
それが僕達を襲ってきた。僕はいち早く気付いたから、フラングランを抜き放ってその光を受け止める。
「うわあ!?」
「なっなんだ!?」
「大丈夫なのか!?」
三人は僕がこれを受け止める園瞬間まで気付かなかったみたいだ。無理もないけどさ。後ろから……しかも斜め上だし、気付きにくい。光に音があるわけでもない。ドビュンとかバビュンとか効果音を発して進むわけでもないからね。
「攻撃か!!」
「でも俺達を狙うなんて意味あるか?」
「狙いはこいつだろ!」
そう思いたいけど……狙われたのはどっちかというとこの三人の感じなんだよね。まあまとめて倒すつもりだったのかも知れないけどさ。自分に狙われる心当たりはいくつもある。だからまあ、こういうこともあるだろうとは思うけど……姿も見せずに一方的に攻撃なんて悪趣味な事をしてくる奴はあんまりいない。
まあ今は考えてる場合ではないよな。とりあえず僕はフラングランの力を僅かに解放する。風が集まってきて刀身へと渦を巻いてまきついていく。
「な……なにが?」
「風が集まってきてるぞ」
「今度は何なんだ?」
三人は三人固まって背中合わせにしてどこからでも攻撃が来ても言いように警戒してる。正しい判断だね。死角は潰しておいた方が良い。三人は風が僕に集まって行ってるのを不気味に思ってるみたいだ。そういうスキルとでも思ってて。僕は風を集めたフラングランで光を押し返す事にした。
一回弾いて軌道を変えてもいいけど、こんな不意打ちする奴にはお仕置きが必要だろう。片方で押さえつつ、もう片方で光を突く。そして風の渦でその光を真っ正面から押し換え出す。
「うおおおおおおお!!」
「すげええええええ!!」
「そんな事も出来るのか!!」
三者三様興奮してる。喜んでもらえて結構だ。どうやらこの攻撃は何発も撃つ物じゃなく、一発一発に力を込めて放つタイプ。だからこそ、今でも僕が対峙してる訳だもんね。何発も撃てるのなら、防がれた時点で、もう一発とか用意して放つだろうそれが無いって事は術者はこの攻撃の先にいる。不意打ちならそれなりに効果的だろうけど、強敵を相手にしてきた僕からして言わせして貰えば――
「この程度の威力じゃ甘い!!」
――だ。僕のフラングランが風を集めてその風が襲ってきた光を飲み込みながら光の先へと進んでいく。