1388 校内三分の計編 48
「すげー! やっぱりスゲーよアンタ!!」
そんな事を言ってこっちに近付いてくる三人。三人とも男でなんともむさいが、まあ気は楽だよね。それにめっちゃ頼りにしてくれるのはとても気分がいい。うん、気分がいい。まあそれぞれの目的の為に共闘してるだけなんだけどね。
僕はここでLROでは見られない変異したモンスターを探してる。そして彼等は始めたばかりのLROという世界を堪能してる。まあそれならレスティアじゃなく、ちゃんとした冒険出来る所に行けばいいのに……とか思うけど、まあそれは人それぞれだろう。レスティアからなら、種族の大都市には行けるし、ここで経験を積んで、それから世界に繰り出す……と言うのは案外定番らしい。
まあレスティアは沢山の人が集まってるし、テア・レス・テレスは色々な施策をしてる。その一環が初心者指導みたいな物だ。レスティアにはそれこそ仕事を斡旋する酒場とかLRO側の施設は最初はなかった訳で、独自に色々とこの街を経営して行かなくちゃいけなかったんだろう。
まあ今はLRO側の世界のそう言う組織とも繋がりを持ってるみたいだけど……でもここの冒険者組合? というかそういうのはテア・レス・テレスが頑張って運営してるようだ。勿論それらの指揮を執ってるのは日鞠の奴……ここでは会長か。多分LROと繋がったエリアというのはとてもやる事がおおいんじゃないだろうか? というか出来る事? それらを上手くやらないとLROに繋がったとしても……ローレの奴はどこまで考えてるのか。
まあそれは僕が考える事でもないし、出来るかも謎なんだけど。でもしばらくここで狩りの手伝いをしてるわけだけど、おかしなモンスターは見てない。事前にここに居る事が確認されてるモンスターだけがいる。それが普通で良い事なんだけどね。
「あのロックトカゲを三体一気に一撃なんてな……」
「一撃じゃないよ。そう見えただけだ」
「かっけええ」
照れるな。
「やっぱり武器が違うのか? 俺達初心者用の武器だし」
「その剣格好いいよな」
そう言って三人は僕のフラングランをみる。まあ確かにフラングランは格好いいね。他に同じ物を見たことないし。鍛冶屋がくれた物だが、これにはかなりお世話になってるし、何かお礼をした方怪異のかも? てかそっか
(あいつなら……)
僕一人でローレの所から出るのは難しいが、鍛冶屋が協力してくれるなら……でもそれやったら今度は鍛冶屋に借りが出来るんだよね。それに実際ローレにはこき使われてるが、世話になってるのも確かだし……そもそもが苦十の口車に乗るのもね……でもあいつに対抗する術は今の所ないし、奴の目的も謎だ。
多分世界で暗躍してるんだろうが……今はあいつの口車に乗った方がどっちの為にもなるかなと思った。まあどっちが良いのかなんてこの段階ではわからない。苦十の奴はローレに接触してるみたいなことを言ってたが、あいつの近くに特定の誰か……なんてのは見たことない。多分自分が一番近いんじゃないかって思うんだけど……もしかしてリアルの方で接触してるとか?
「どうする? まだやるか?」
「勿論、良い感じて熟練度上がってるからな。この武器のスキルを得たら新しい武器を使うんだ!」
「俺だってもう少しだぜ」
「俺も!!」
実際、この三人にとって、ここのモンスター達はちょっと適正とは違う。だからこそ、僕が待機してるのだ。三人が頑張って、危なくなったら、僕がやるのだ。やっぱり自分よりも強い奴を相手にする方が経験値的な物を得られる安い。どういう計算で得てるのかはわからないだが……LROにはレベルという概念はないからね。レベル差で入る経験値が変わるってことはない。
そもそもが経験値はスキル値しかないし。僕もこういうときに色々な武器を試す武器なんだろうけど……もうどういう風にスキルを構成していくか……なにせ僕のスキルは特殊な奴が多い。そのせいで一般的な構成ってどうなの? 的な……ね。
とりあえずもう少し狩りをして皆の熟練度が上がったら、新しい装備を揃えにレスティアへと戻らないといけないだろう。それまで今日は付き合うかな? そう思った。