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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1387 校内三分の計編 47

「そっちに行ったぞ!」


 そんな声の通りに、僕の所に数体のモンスターがやってくる。岩礁地帯にありがちな体に岩が張り付いてるトカゲだ。普通のトカゲのモンスターよりも防御が高い。そして尻尾の先にトゲの着いた岩が着いてて、それがメイン武器だね。


 一応体当たりとかもしてくるが、岩が着いてる関係上、奴らはそこまで速くない。僕から見たら、止まってるみたいな物だ。一応頑強になってるだけに、当たればダメージは大きい。それに流石に受け止めるとかは無理だ。


 二メートルくらいはあるし、足も太いからね。力強さは人が受け止められる物じゃない。まあスキル次第だろうけど、今組んでる人達ではこの岩トカゲの突進を止める事は出来ないようだ。だからとりあえず走り出したら、側面に回って弱そうな部分を狙って魔法やら矢とかを放ってる。


 でもあんまり効果が見られない。HPは減ってるけど、有効打かと言われると……微妙だね。


「三匹か……」


 彼等に一度にこの人数はきついか。しょうが無いだろうね。なにせ彼等は初心者の様な物だ。レスティアで今日もうろうろ……もとい、門のコードを調べてた訳だけど、最近、テア・レス・テレスの奴らが何か門に張り付いてる時間帯があるんだよね。


 こっちの動きに感づいてやってるのかはわからないが、やりにくいからこれ幸いとサボってる――訳じゃない。違うアプローチを試してるのだ。なかなか門にも近づけなくなったから、その謎のモンスターでも求めようかとね。なにか貴重な素材でも落ちたら、それでローレの機嫌を取るのもいい。


 一人でやってもいいんだけど、僕ってほら、色々と恨まれてるからね。まあそうそうやられる程に弱くはないつもりだけど、一人だと色々とリスクがあるから、何やら初心者っぽい人達に混ぜて貰ったわけだ。三人はたまたまLROを始めた日に出会ったらしい。


 うんうん、ゲームの中で運命的に出会うってのもなかなかいいよね。そう言う事もきっとある。そしてたまたま気が合ったから三人で気ままにプレーしてると言う事だ。新参だから僕の事も当然知らないし、ただちょっと力を見せるだけで憧れ見たいな視線を向けてくれるのがなかなか……ね。なかなかいい。


 彼等では岩トカゲの三匹でも苦労するが、充分にやり合ってスキルの熟練度とかもたまってきてるだろうし、ここらで一度休憩を入れるのがいいだろう。彼等の包囲を突破してきたって事は、彼等にも疲れが現れだしてるって事だろうからね。


 僕はフラングランを抜き放つ。けど、彼等にはそれしかきっと見えなかっただろう。そして再びフラングランを鞘に戻す。その瞬間、岩トカゲ三匹がオブジェクトになって消えていく。無駄に格好良く決めたのは否定しない。僕は涼しげな顔で、やりきったかのように一息吐いた。

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