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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1383 校内三分の計編 43

「お待たせ~」


 そう言って広いテーブルにケーキを並べるこのカフェの店長の女性。まあ普通にこの家の奥さんなんだけどね。どうやらカフェだけど、流石に民家そのままだけあって、テイクアウトの方が主流らしい。まあそもそもここ、一組しか入れないしね。なにせ普通のリビングルームだもん。L字型のソファにオシャレ感を出すガラステーブル。ソファーには可愛い感じのクッションがあって、間接照明はちょっとカフェを意識してるのかなって思うけど、デデンと壁際に鎮座してるテレビがカフェじゃなくて、リビング感出してるよね。それにホースシアターも完備してあるし……でもテレビ横にあるでっかいスピーカーからじゃなくて、テレビ前のAmazonのエコーとかからBGMがささやかな曲が流れてる。


 私はソファーではなく床にクッションを敷いて座った。ソファーがあるとテーブルとちょっと遠いからね。色々とお世話されちゃうと心苦しい。二人は友達だからね。選挙に協力してくれてるような信者なら……ね。まあ良いかなっ思うんだけど。二人は友達だから過剰にお世話なんてされたくない。


 とりあえず上半身は普通に動くし、テーブルに近い方がいいのだ。出されたケーキは色取り取りなフルーツが目を楽しませてくれる物だった。それにフルーツによってそれぞれ違う動物がかたどられてるみたい? 


「私は猫ですか?」

「虎ですよそれ」


 そんなやりとりからわかる様に、どうやらクリスは虎らしい。まあわかる。猫と言うよりもクリスは虎だよね。凶暴だし。普段はそんな所見せてないから、まあ猫って印象を持つ人が多いとは思う。でもクリスの正体を知ってたら、猫なんて可愛い存在じゃないってわかる。


「私のは……ペンギン?」

「かわいいですからね」


 鈴鹿ちゃんはペンギンだった。そこはよくわからないね。多分彼女の第一印象なんだろう。もっとクールだと思うんだけど……ペンギンって愛嬌たっぷりじゃん。鈴鹿ちゃんに愛嬌があるかと言うと……なかなかに厳しい。いや、私は鈴鹿ちゃんの愛嬌ちゃんとわかってるよ。でも初対面でそれでわかる人は少ないと思う。けどこの人はそれを見抜いて鈴鹿ちゃんのケーキにペンギンを描いたのだろうか? そうなるとなかなかに凄い人だと改めていいかも?


 ただのぽよよんとした主婦なだけじゃないのかも? そして私はというと……


「亀?」


 私のケーキはブドウとかの青系のフルーツで亀の甲羅みたいになってた。私って自分を例えられる時って、大抵綺麗な動物だったよ? それこそクジャクとか鶴とか……そういう優雅な動物が真っ先に来る……位の美少女って周りが言ってた。うん、周りがね。でも亀って何? 悪意を感じる。いや、ケーキは綺麗だよ。


「なんとなくもっと堅実に行った方が良いのかなと思いまして」

「何を!?」

「それは直感です」

「あはは、言われてますよ摂理」


 なんかクリスがめっちゃ笑ってる。どういう事かわからなくてモヤモヤするんだけど……とりあえず私はケーキにフォークを刺して口に運ぶ。


「あっ、美味しい……」


 悔しいけど、めっちゃ美味しかった。

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