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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1380 校内三分の計編 40

「クリス?」


 私達は校門から出て、ちょっと進んだ。するとクリスが道路に男女と共に何やら集まってた。なんかめっちゃ迷惑。実際クリスの姿はその人達の中心にあるらしく、金髪が揺れるのが見えるくらいだ。でもクリスの元気な声も聞こえるし、確実にいる。

 そしてその気配を敏感に察して鈴鹿ちゃんは嫌そうな顔をしてる。鈴鹿ちゃんクリスの事苦手だからね。まあクリスっていうか、外国人が苦手そうだけど。この前、駅近くで外国人に話しかけられたカチンコチンになってたし。私と違って鈴鹿ちゃん普通の成績なのにね。


「うん、ちょっと相談があって」

「そう、じゃあ私はここで」

「ええ!?」


 速攻で私の車椅子から手を離して踵を返す鈴鹿ちゃん。早いよ。そこまで!? ちょっと前までは普通にお弁当一緒に食べてたじゃん。まあ殆どクリスとは喋ってなかった気がするけど。


「私は何も出来ないし。あいつの方が頼りになるでしょ?」


 それはちょっとしたツンデレ……ではないみたい。リアルではそうそうわかりやすいツンデレなんてない。鈴鹿ちゃんは私ともっと仲良くしたいとかおもって無いのかな? ただ居てくれるだけで良いんだけど……ちょっと寂しい。でも無理強いはしたくない。


「えっと……またあ――」

「摂理、鈴鹿、お待たせデス」


 キラキラと輝く金髪が私の視界に広がる。どうやら私に抱きついてきたらしい。クリスはよくくっついてくる。外国人だから距離感が日本人よりも近い。てかこんな所見られると不味いのでは? 私はキラキラしてるクリスの髪の隙間からさっきまでクリス達がいた場所をみた。


(えー?)


 なんか既に彼等は解散してた。早いな~。さっきまで盛り上がってたじゃん。何があったってレベルだよ。


「さっきまで居た人達は?」

「ああ、皆用事があるんデスよ」


 なんか含んだ言い方だ。きっとクリスが何かやらせてるんだろう。でも……実際こう言う指示とかするものなんだろうって思う。私には何一つ、重いカビもしないけど……


「私はここで帰るから、二人の方が良いでしょ」

「別にそんな事は無いデスよ? 最近は鈴鹿とも話せてなかったし、三人でお話ししましょ」


 そう言って私から今度は鈴鹿ちゃんに飛び付くクリス。けど顔面を押さえられて拒否られてた。


「や・め・な・さ・い」

「まったく、鈴鹿はイケずデス。まあでも、付き合っては貰うデスけどね」


 そう言ってクリスは鈴鹿ちゃんの手をがっしりと握る。そして私の車椅子も片手で強引に弾いて進み出す。


「さあ最近見つけたカフェに行くデス。れっつこごー!!」

「ちょ!? 私は――」


 鈴鹿ちゃんが反論を唱えてるけど、鈴鹿ちゃんの力ではクリスを振りほどくなんて出来ない。だから結局、鈴鹿ちゃんも私達に付き合うことになった。私はちょっと強引だけど、良かった――と思った。

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