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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1379 校内三分の計編 39

「任せて摂理ちゃん! 大丈夫だから!」

「おう! 俺達が姫を生徒会長にしてみせるぜ!!」

「だから姫はただその場に居てくださればいいのです!!」


 放課後、なんかそんな事を言われて私の生徒会長選挙の活動を手伝ってくれてる……というか、既に全てを握って勝手にやっている皆が私を鈴鹿ちゃんに任せてどっかいく。いや、鈴鹿ちゃんがいてくれるだけでいいけどね。


「いいの?」

「いいっていうか……話し聞いてくれないし」

「私もちょっと用事があるんだけど……」

「ええ……」


 なんか最近、鈴鹿ちゃんの付き合いがわるい。いや、どちらかというと私の方が付き合い悪いのかも知れ無い。なにせもう、教室間の移動とか、スオウや鈴鹿ちゃんじゃないときが多い。彼等が……私を囲んじゃうんだよね。それにスオウも鈴鹿ちゃんも別段文句言わないし。私にはもっと友達が必要だろうって……確かに沢山の人達と仲良く成るのはいいけど、一番仲良くしたい人達と疎遠になるのは違うような……

 まあスオウとは家で毎日会えるけどさ……鈴鹿ちゃんとは学校でしか会えないからね。もっともっと一緒に居たい気はする。一応鈴鹿ちゃんも私の生徒会長選挙、活動委員ということには成ってる。正式な……ね。だって何よりもまず、私は彼女を誘った。そしてちゃんと協力してくれるって言ってくれた。


 けど、今や『私、必要ないよね?』というスタンスだ。確かに鈴鹿ちゃんがいなくても手伝ってくれる人達はいっぱいいる。けどその人達、いうなれば勝手にやってるだけだからね。言葉は悪いけど、そうなんだよね。それが悪い訳じゃない。だってクリスも日鞠ちゃん――はよくわからないが、とりあえずそういうのは良いらしい。そもそも普通の生徒会長選挙なんて物は盛り上がりも関心も無くて……だからこそそういう活動委員を数人決めて一緒に活動する様にしてたらしい。一人じゃ流石にビラとか撒くのもきついだろうからって配慮だろう。

 でも今回の生徒会長選挙は盛り上がってる。そして関心がない生徒がいない。いや、スオウは関心なさそうだけど……悲しい。私を応援してって言えれば良いんだろうけど……それは……ね。


 私の車椅子を鈴鹿ちゃんが押してくれる。学校は生徒会長選挙で盛り上がってるから、放課後でもとてもガヤガヤとしてる。だから車椅子で進むのは危ない訳だけど……皆がちゃんと私に道を空けてくれる。男の子達が気付くと、周囲に声をかけてくれるんだ。それでも危ない人達――歩きスマホで注意力散漫になってる生徒とかを体を張ってとめてくれてる。


 なにやら止められた女生徒の視線が厳しい気もするけど、私は皆に協力をして貰わないと学校生活がおくれないから、仕方ない。階段は鈴鹿ちゃん一人では厳しい。でもそこも問題ない。ささっと男子達が来て、私の車椅子を持ち上げて一階まで下ろしてくれる。


 一応バリアフリーの導入を日鞠ちゃんが進めてるみたいだけど、なにぶん古い学校だし、一気に色々と改装する計画らしく、流石に直ぐには無理らしい。せめて夏休み終わりまで待って欲しいと言うことだ。


「「「お気をつけて!」」」


 そんな挨拶をされたからペコリとおじぎだけしておく。ありがたいけど、スオウと合法的にふれあう機会が彼等のせいで減ってるんだよ。むむむ……だ。いや、ありがたいけどね。私の車椅子を下ろしてくれた男子諸君は何やら盛り上がってる。あれくらいで喜べるんだから、男子はいいよね。私はただニコニコとしておけば、皆色んな事をやってくれる。


 それを私は知ったのだ。けどそんな私を見て、何やら鈴鹿ちゃんが静かに息を吐いた気がした。

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