1378 校内三分の計編 38
クリスが動きだしてる。いや、クリスは実際ずっとうごいてる。どんどんと生徒達を取り入れてるし、何せあの性格だ。クリスは外国人特有で物怖じしない。それにやっぱり美人だし、メリハリのある体は外国人の特徴だろう。私だってちんちくりんなわけじゃないよ。
でもやっぱりクリスと比べられるとね。向こうはモデルみたいな体型してるからね。ああいうすらっとしててもこうおっぱいボインとなってるところとか、きっと男子はたまらないんだろう。
「ふう……」
私はとても頭を抱えていた。なにせ私だけ、とても遅れているからだ。何がって? それは勿論選挙活動である。そもそもが私は……日鞠ちゃんに勝てるなんて……うーん。確かにこのままではダメだとは思ってる。どうにかしてあの二人の関係の間に入り込みたい。でもこの選択肢が正しかったのかは謎だ。
色々と周りに持ち上げられて立候補したわけだけど……私はどう考えても案山子である。私の方針とか、私じゃない、周りが色々と頑張ってくれてる。そもそもが私の意見が……ね。全然聞かれないって言うか。私はただの神輿でしかない。
それを一番自分が感じてる。そんな私とは違って、クリスと日鞠ちゃんは自分って奴をちゃんと出してると思う。いや、公約だけじゃ二人ともよくわからないけどね。クリスなんてそれこそ小学生でも言えそうな事だし、日鞠ちゃんの公約はなんか抽象的だ。でも……日鞠ちゃんはそれで良いんだよね。
なにせ日鞠ちゃんは一年間の実績がある。彼女のおかげで、私もとても快適にこの学校で生活できる訳だし……皆か優しい。もっと学校って恐ろしいかと思ってたけど、友達も出来たし、皆私に優しい。特に男の子達は優しい。私の協力者的な人達は大体そうだし。クリスの方はそこは五分五分って所だ。日鞠ちゃんの所はよくわからないが、偏ってる気はしない。
でも私の所は偏ってる。でも全く女の子がいないわけじゃないし、あんまり気にはしてない。それに男の子のが便利……じゃなくて、頼りになる事はあるしね。
「スオ――」
「摂理様!」「摂理様!」「摂理様!」
私はスオウに声をかけようとした。昼休みだし、ちょっとでも話したい。それに今日はまだ日鞠ちゃんが学校に来てない。だからだろうけど、スオウはチラチラと校門の方を見てる。どうやらスオウは自分で気付いてないみたいだけど、日鞠ちゃんの事めっちゃ気にしてる。
それは……ね。二人は幼なじみだし、ずっと一緒に居た間柄だ。だからそれはしょうが無いことだと思う。でも今は私がスオウと同じ家に住んでるのだ。もっと私を気にしたって良くない? スオウは私がチラチラ見てることなんて気付いてないんだろうな。
私は席は教壇に一番近い真ん前だから、大変なんだよ? しかもなんとか先生の目をかいくぐってスオウの後ろ側、窓側の席を見るのは大変だ。だって何人もその間には生徒がいるし、私がちらっと見ると、大抵誰かが顔を赤くする。
私的にはその反応はスオウにして貰いたい。けどスオウってなかなか私で赤くなってくれないんだよね。私は自分の事を美少女だと思ってるんだけど……一番振り向かせたい人に通じないと意味なんてないよね。クリスはこの生徒会長選挙で日鞠ちゃんの事を負かせばスオウが見る目が変わるっていう。確かにそれはあるかもだけど……私にはどうしたら良いのかさっぱりだ。
やっぱりまたクリスに相談した方がいいよね。本当に立候補者同士で合うのは不味いけど……クリスなら上手くやると思う。それに聞きたいこと有るし。今朝から流れてる日の出ジャーナルと日鞠ちゃんの黒い繋がり? こんなタイミングよくこういう事が流れてるってクリスだと思う。色々と情報収集してるとか言ってたし。
でもこれで日鞠ちゃんの支持者をこちらに引き入れることが出来るかは疑問だよね。そもそもが日の出ジャーナルをここまで大きくして学校外の組織……会社にしてしまったのは聞いた所日鞠ちゃんだ。ならこんなの当然で……はっきり言って私はこの情報をどういう風に使えば良いのかわからない。だからクリスにLINEを送るよ。
返信は直ぐにきた。『オケオケー』らしい。
昨日書いてたけど、あげるの忘れてました。なので今日は夕方くらいにもう一話あげますね。ちなみに更新はnoteで報告してます。
でも今回ミスったから、せっかくの連続記録が止まっちゃいました。後少しで一年毎日更新だったんですけどね。残念。