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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1376 校内三分の計編 36

 朝、小鳥よりも妹のドタバタとした忙しなさで目が覚める。まぁ妹がドタバタやってるとなると大体朝の八時半過ぎだ。

 既に早い子たちは学校に着いてる頃合いだろうね。朝練とかをやってるとなると既に一汗かいて朝練も終わりくらいだろう。そんな時間に我が妹はやれ靴下は――とかやれ櫛は――とかやってる。朝食には牛乳を流し込んで、トーストを一掴み……そのまま玄関に向かってるんだろう。


「世話の掛かる妹だね」


 しょうがないから私は部屋を出て廊下を進み、階段を降りる。すると中程で妹の背中が見えた。

 肩まである髪は所々ブラッシングが甘くて跳ねてるのが見える。けどまあ、あのくらいならストレート気質な妹の髪なら手櫛でどうにか成るだろう。

 最悪、多分腕につけてるシュシュでまとめるんだろうし、そこを指摘する意味はない。私は急いで靴に足を入れて玄関のドアにぶつかりそうになってる妹に声をかける。


「傘、持ってって」

「雨?」

「雨」


 そんな短いやりとりで姉妹なら十分だ。妹は傘立てからお気に入りのネジ巻き模様みたいな傘を手に取った。


「行ってきまーす!」


 そう言ってそそくさと玄関を後にする。扉の向こうで「降ってないじゃん!?」という声が聞こえたけど、別に今降ってるなんて一言も言ってない。

 何か今日は降りそうだと思っただけだ。天気予報は見てない。でも多分、降ると思う。なんとなく分かるだよね。妹も、今じゃないと分かってるから、別に戻しに来たりしない。足音が遠ざかる。走っていったんだろう。


 朝一番騒がしい人間が出て行くと、とても家は静になる。前は私もお弁当を作る為に毎朝早くに起きてたけど、それもしなくて良くなると、朝はゆっくりと出来る。私には学校への登校義務はないからね。


「さて、もう一眠りしようかな?」


 皆私を完璧超人のように言うけど、私だってれっきとした女子高生なわけで、ぐーたらしたくなるときだってある。今は色々と忙しいけど、でもだからって睡眠を怠ったらダメだよね。結局、寝ずにやるよりもしっかり寝てからやった方が良い事って沢山あるし。私は昨日も遅かったのだ。


 選挙活動もそうだけど、色々と仕込んどかないといけないことが沢山ある。でもよく考えたら私のしてる事って生徒会長を続ける事が前提の様な……


「まあいっか……」


 何せ、私は負けるつもりなんて毛頭無い。この一年も私は生徒会長として学校改革をするのだ。自分に何がやれるのか……去年とはまた違った事が出来る筈。皆は私を素晴らしいとか言うけどそうじゃない。私は結構自己中心的だ。

 まあそんな事を言っても信じてもらえないけど。


「ふぁ……」


 私は欠伸を一つして部屋へと戻って、モゾモゾとベッドに入った。


「おっと寝る前に変えとかないとね」


 そう言って私は枕の下に手を突っ込み、一つの写真を引っ張り出す。そしてベッド上の棚にあるアルバムから一つの写真を取り出して、今度はそれを枕の下へ……これできっと良い夢が見れる筈。思惑通りに、私は夢でスオウに会えた。夢ではいつだって私達はラブラブだ。

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